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南海の尖塔
官能リレー小説 - 同性愛♂

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南海の尖塔 2

何本かロープがついているが、円盤はびくともしていない。それどころか少しずつ海の方に進んでいるようにすら見える。
引っ張っている彼等はそれに気づいていないようだが…。
「まずいな、このままだとあの金属板が失われてしまうぞ」
しかし、自分一人が加わったところで沈み込む円盤を止められるとは思えなかった。
沈みつつあった円盤の上部が開いた。蓋を誰かが押し上げたかのように持ち上がったのだ。
流石にそれには盗賊の男達も驚いたらしい、何人かは手を離してしまう。
しかしそれで円盤の沈む速度が速くなることは無かった。引き上げようとしていた彼等の力は全く足りておらず、一定の速度で沈んでいただけだったらしい。
円盤の中はグルグルと渦巻いていた。まるでミルクを垂らしたコーヒーをかき回しているかのようだ。
それのあちこちが様々な色にキラキラと光っているので非常に美しい。星空がゆっくりと回っているようにも見える。
「中は液体みたいな物なのか?」
引き上げ作業をしている盗賊には円盤の中身がよく見えないようだった。
明らかに異常が起こっている。それは上からでないと見えないので盗賊達は未だに気づかず引き上げ作業を継続している。
彼等に教えてやるべきか、そんなことを考えていると円盤の溶けた内部は更に動きをおかしくした。
ヌラヌラと奇妙な光を放つそこは次々と盗賊を飲み込み始めた。吸い込まれているのだ。
そこに落ちた盗賊はまるで泥沼に沈んだかのように埋まっていく。
それはあっという間の出来事だった。盗賊は軽々と浮き上がりまとめて押し込まれたので誰も逃げられなかった。

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