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南海の尖塔
官能リレー小説 - 同性愛♂

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南海の尖塔 1

硬い床は肌に痛みを覚える程冷たく、こめかみには打撲による鈍痛が残っている。
部屋の空気は悪臭に満ち、咳き込むほどに埃っぽい。
 おまけに、身にまとっている服は腰に巻かれた何かの毛皮だけで、僅かに身をよじっただけで毛羽立った生地が全身の股間に擦れた。
部屋の外からは激しい波の音が聞こえてくる。

 よくぞ今まで眠っていられたものだと、その人物は己自身の図太さに呆れつつ身を起こした。
窓の外を見ると海が見えた。海岸には盗賊風の男達が大勢うろついていた。
彼等は落ち着かない様子で服を脱ぎ捨て、水着らしい装備だけになる。
「あいつらもこんな風に連れてこられたのか?」
全員が水着になってはいるが、楽しく海で遊ぼうという雰囲気ではなかった。
その水着らしいのは支給されたものらしく、全員が全く同じ布面積の少ない灰色の物だった。
自分はそんな物は受け取ってはいない、部屋の中にも見当たらなかった。
「海で作業でもするのかな…?だからならず者らしいのばかりを集めてきた」
そんな推理をしてみる。
ここから出ようとして、止める。ならず者らしいのが外にうようよしているのだから、彼等が居なくなるまで待つべきだと思えたからだ。
「目的がなんであれこちらにとっては脅威だな…」
集められたということは彼等を呼び寄せた何かがあるということになる。もし仮にそいつがこちらを敵視したとすれば、彼等全員が向かってくるだろう。
海岸に何か宝のような物が沈んでいて、彼等はそれを引き上げようとして居るように見えた。
「あれだけの人数が必要になるくらいに大きな物なのか?」
塔に登って高いところから観察してみると、確かに円盤形の物が沈んでいる。あれを引っ張って引き上げようとしている。

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