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怪しげなリング
官能リレー小説 - 同性愛♂

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怪しげなリング 6

男が答える。
「じゃあこのマークはなんだ?」
「それはそれぞれの部屋に割り当てられている力を示すものだ。例えばそのドアなら『火』の力といった具合だ。お前達は対応する部屋に入っていくのだ」
「へえ……」
マルジオは感心したように呟いた。
「俺達が入る部屋は何の部屋なんだ?」
「もうすぐわかるさ」
先頭の男が立ち止まる。
「ここがお前達の部屋だ」
鍵を取り出し、扉を開ける。
「ここは『水』の力を持った者しか入ることはできない」
部屋の中に入ると背後で扉が閉まった。
入った瞬間、空気が変わったような気がした。
床一面に水が張られていた。照明は天井の中央に埋め込まれたランタンだけで薄暗く、水面には波紋一つない。
広さは10メートル四方ぐらいだろうか。
壁際には木箱のようなものがいくつか浮かんでいた。中には液体の入った瓶がいくつも入っているようだったが、中身まではよく見えなかった。
「ここに入る時は裸になる決まりになっている」
そう言って男は服を脱ぎ始める。
マルジオもそれに倣った。
「ルールを説明するぞ。ここでは裸にならなければならない。服を着たままだとこのリングが能力を発揮することができないのだ」
「じゃああの浮いてる箱は?中に何か入ってるのか」
「あれに脱いだ物を入れるんだ」
「わかった」
そう答えながら俺は内心戸惑っていた。
妙なルールだとしか思えない、こんなところで裸になって何の意味が有るというのか。
裸になること自体恥ずかしいことではなかったし、今まで何度か経験しているが、こんなケースは初めてだった。
男達が次々に全裸になり、木箱の中に身に付けていた物を放り込んでいった。
そして全員が裸になると、先程言っていたリングについての説明が始まった。
「まず最初にリングとは一体どういうものなのかを説明しよう。これは人間の持つ潜在能力を引き出し、強化するための装置なのだ」
「潜在能力……?」
「そうだ。我々人間は普段力をセーブしている。その制限を外すためのものだと思ってくれればいい」
「ふーん、なるほどね……」
マルジオは納得したふりをした。
だがそんなものはマルジオにとっては初耳だったし、正直眉唾ものだった。
そもそも人間が潜在的に持つ力などというものが存在するかどうかすら怪しいと思っていた。そんなものが本当に存在するとしたら、なぜ今更こんなことをする必要があるのか。
もっと早くその存在を公表していれば、もっと大勢の人が救われたはずだ、とマルジオは考える。
しかもリングを装着した者は全員屈強そうな体つきをしている。
中にはマルジオよりも体格の良い男もいた。
どう見ても鍛え上げられた肉体にしか見えない。
それなのに何故リングを装着する必要があるのか。
マルジオと同じ疑問を抱いたのか、何人かの男が小さく首を振っている。

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