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怪しげなリング
官能リレー小説 - 同性愛♂

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怪しげなリング 3

しかし、ジェラルドの性格は歪むことはなかった。
本人の性質によるものか何か支えになるものがあるのか、マルジオにはわからなかった。彼が見た限りでは常に貧しそうに見えるのだが…。

とにかく男達は謎のリングを手に、闘技場のような場所に運ばれた。
どことなく警戒しながらマルジオが馬車から降りると、そのすぐ後にジェラルドが飄々と続いて来た。
幸薄そうな男達が闘技場の中央付近に集まると、観客席に数人の人影が現れる。
仕立ての良いスーツを着た恰幅の良い中年の小男が真ん中に立ち、その両脇を仏頂面の筋肉質な鎧男とニヤニヤと笑う固太りのチンピラ染みたオッサンが守るように固めている。
景気の良さそうな人好きする笑顔を貼り付けた小男がマルジオたちを見回すと、何かに納得したように頷いて鎧男に目で合図をした。
一歩前に出た鎧男は息を大きく吸い込むと、ギロリと男達を睨みつける。
「よく戻ってこれたな、ロクデナシどもっ! どうせ十分の一も戻れずに、情けなくとっ捕まると思ったぞ!!」
ある意味イメージ通りと言えるだろう、心底男達を見下した口調で呆れたように話し出した。
「どうやら生意気にも、リングを盗ってこれた奴が複数いるようだ! お前たちのような屑にしては、随分と役に立って見せたなっ!」
その言葉に集められた男達が何やら言い返し始めた。妙に冷静なジェラルドとその様子に気をとられていたマルジオだけはそうではなかったが…。
マルジオが質問をする。
「どうしてこのリングが町中に散乱したんだ?ただ落ちてるならまだしも店の机の上にあるなんておかしいじゃないか」
その言葉に他の男も続く。
「俺は民家の煙突の上にあったぞ」
「俺は井戸の底だ」
だんだん騒がしくなった。良くない雰囲気だった。
鎧の男が返す。
「それはそのうち分かる!今は逆らわずに指示に従え」
そんな返事で納得するはずがない。だが、もう誰も聞かなかった。
どうせ聞いても無駄だと思ったからだ。

まずは三人が適当に選ばれて、鎧の男の指示でどこかに移動させられた。
三人はなかなか戻ってこない。そうこうしているうちにまた何人かが適当に選ばれて連れていかれた。
マルジオの番になった。ジェラルドと同じ組だった。
「よかった、ジェラルドと一緒か」
彼とは顔見知りなだけでそこまで親密ではない。だが、知らない奴と組むよりかはずっとマシに思えた。

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