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ソノン闘技場の出来事
官能リレー小説 - 同性愛♂

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ソノン闘技場の出来事 5

「ふむ……おみゃあさん、まだよく分かってねぇようだのぉ」
赤毛の大男は、サイリルの不満そうな目に気づき、話しを進めた。
「マキシの目撃情報やら、どこに住んどるやら知りたいようじゃが、たぶんここでは分からん話じゃな。悪いがおれも、その名はとんと思いだせんからのぉ」
パンにかぶりつきながら、腕の中の少年に言い聞かす。
「ここら辺で見失のうたのなら、可能性は二つじゃのぉ。おみゃあさんを撒くために闘技場に引き寄せたか、あの階段の下かじゃ」
焦っているサイリルを宥めるように、男はゆっくりと話した。
「一つ目じゃと思うなら、帰ればえぇ。当ても無く聞きまわりゃ、いつかは見つかるかも知れん。じゃが階段を下りたいなら、資格を示さなきゃならん。半端もんを蹴散らし、戦餓鬼を打ち倒せば、自然と行きかたも分かるはずじゃ」
「とりあえずは戦うしかなさそうだな…」
簡単な食事を終えると、サイリルは大男の誘導である部屋に向かう。
そこに向かう途中でサイリルはその男がグレゴリーという名前だと知った。
そこは訓練用の部屋らしく、そこに入る前にグレゴリーからある衣装を渡された。
純白の艶やかな素材で出来たビキニに、心臓や太股に肘膝を守るプロテクターだ。
部屋の隅っこのカーテンの中で着替えると、準備体操と柔軟から始める。
補助としてグレゴリーの大きな手で触られるたびに、妙に息があがっていた。
ある程度体に熱をいれたら、互いに向き合って掌を構えた。
グレゴリーも同じコスチュームだった。全てのグラディエーターの装備が統一されているわけではなく、今のサイリルの装備に合わせているらしい。

まずは基本的な直線的な打撃攻撃からという事で、グレゴリーは右ストレートを繰り出してきた。
しかし、サイリルにはそんな攻撃は簡単に見切れた。初心者に対して手加減をしているのもあるがサイリルの技術が高すぎるのだ。
それが油断に繋がったのだろうか、擦るようにかわした瞬間、開かれた掌に肩を掴まれ前に引き倒される。
踏ん張った前足の膝を蹴られ姿勢が崩れた瞬間、額の前にグレゴリーの掌底が寸止めされていた。
「いやぁ……おみゃあさん、なかなか練ってあるのぉ。こっちさ見下してねけっば、当たんなかったぞ」
口調は軽かったが、すでにサイリルを試す気は無くなっていた。
腰を下げ、腕を広く構えた低い型だ。

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