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ソノン闘技場の出来事
官能リレー小説 - 同性愛♂

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ソノン闘技場の出来事 1

それは少年がソノン闘技場に向かう途中の事だった。少年の耳が路地裏の奥で響く呻き声や喧嘩声を聞き取る。
「また何か揉めてんな!これは利用出来そうだ…」

碧髪の少年は先を越されまいと路地裏を軽やかに走り、「ひゅーっ」と口笛を吹いた。
そこには一人の青年と地面に倒れて泡を噴いてる六人の男どもの姿があった。
地面や木壁に突き刺さってる武器はあるが、男達の身体には刃物痕はない。全て打撃と締め技によるものだけだ。
山賊風の質素な格好をした男達はどこからか現れたグラディエーター風の格好の男に抱えられてソノン闘技場の方に運ばれていく。
闘技場なら医務室があるからだ。
争いの現場には獣のように無造作に伸びた黒髪の青年が熱気をたぎらせて立っている。山賊を運ぶ男達はその青年をなんとなく怪しみながらも去っていった。

サイリルという名の少年はその後ろ姿になんとなく見覚えがあった。
「もしかして、マキシ兄ちゃん…?」
兄のマキシは三年前に突然サイリルの前から消えた。
唯一の身内であり、親代わりでもあったマキシが居なくなってからサイリルの生活は一変した。
金だけはマキシが置いていっていたのでしばらくはどうにかなったのだが、結局は各地を転々とする羽目になってしまった。
元々体を鍛えるのは好きだったし、話に聞く『武者修行』みたいで悪い気はしなかったのだが。
各地の揉め事に首を突っ込んだり、兄の噂を聞いて回ったりして自由を謳歌したりもした。
それでもどこかで、兄を求めている部分はあったのだ。
「どこ行ってたんだよ…俺心配したんだぜ」
マキシの雄々しい獣めいた後ろ姿にサイリルのペニスがいきり立つ。
しかし、マキシはすまなかった…とだけ謝ると何か紺色の小さな袋を投げ渡して走り去ってしまった。
サイリルはその投げられた袋に注意がそれて、大きく出遅れてしまう。
「待ってくれよ!」

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