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ソノン闘技場の出来事
官能リレー小説 - 同性愛♂

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ソノン闘技場の出来事 3

グラディエーターの列はサイリルが居ないものかのように動く。
誰一人割り込んだ少年に反応していない。サイリルを抱えた赤い髪の大男以外は。
「どういう事なんだ?」
サイリルはしがみつきながら大男の顔を見上げる。
わかってはいたのだが、やはりその男はマキシではない。マキシより年上で、体も一回りは大きい。
その赤い髪の男はサイリルの腰に手をやり、しっかりと支える。兄とは違う腕の感触にサイリルは心が乱れた。

それにしても妙なのは周りの男達だ。抱えられたサイリルの存在に気づかないなんてありえるのだろうか?
「こいつらにゃぁ、資格がねぇかんな」
思わず大男の顔を見返すと、雄雄しい顔でニヤリと笑う。
「おれらぁ、戦士よ。戦んなかじゃなきゃぁ、生きられぬハグレもんよぉ」
サイリルの太股よりガッシリとした腕は頼りがいがあり、無意識に警戒を緩めていた。
「それに満たん、半端もんじゃあなぁ。おれらんこたぁ、まともに見えとらんのぉ」
呵呵と声をあげ、サイリルの頭を乱暴に撫でる。
「おみゃあ……あの階段さ、見えとったろ? そんじゃあ、資格ば手に入るかも知れんのぉ」
「資格?」
「それはおれにもわからん、ただもう既に何人かはあの見えない階段をおりていったがのぉ」
もしかしたら兄もあの階段を?サイリルは周りに気づかれるのも気にせずに兄の外見の特徴を言い始めた。
サイリルがいきなり次々と質問をぶつけるので大男は困惑してしまう。
「おぉおぉ、落ち着けぇ落ち着け。そがなこといきなり言われてものぉ、すぐには思い出せんわなぁ」
頭をガリガリと掻きながら、困ったような笑みを浮かべる。
「まぁ、よう待ちんしゃい。おみゃあさんの目的……マキシじゃったか? そいつば見つかるかも分からんぞ」
グラディエーターたちの流れは、やがて開けた広場へとたどり着いた。
まだ観客は集まってなかったが、厭らしい視線や剣呑な視線が注がれている。
「ここにゃあ、戦餓鬼が集まっとる。あの階段ば下りたきゃ、そいつらぶちのめして認められればよか」
大男が腰の包みから牙のネックレスを取り出し、サイリルに渡してきた。
曰く、これがあれば男の世話係として闘技場に居れる。グラディエーターとして鍛えてもやるから、自分で頑張れ。

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