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ソノン闘技場の出来事
官能リレー小説 - 同性愛♂

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ソノン闘技場の出来事 2

サイリルはその袋を開けるより先に、兄が行った方に走った。
サイリルはすぐに追い付くかと思っていたが、兄の姿は見えなくなっていた。その代わりソノン闘技場が視界に飛び込んでくる。
「もしかして、あの中に?でも闘技場で戦う格好ではなかったけど…」
マキシの着ていた服はベージュの粗末な物だ。
闘士ならば闘技場の外でも簡易的なアーマーくらいは身に付けているはず…サイリルはそう認識していた。
とにかく兄が闘技場に入っていったとは思えなかった。
よくわからなくなってきたサイリルは闘技場の出入口に座り込み、周りを観察する。
グラディエーターらしき男達が並んでいる。客とは区別されているらしく、一般客と思われる団体は離れた場所に並んでいた。
そのグラディエーターのすぐそばに地下に続く階段があるのだが、そこに降りていく者は居ないようだった。
グラディエーターの男達はそんな階段など見えてすらいないかのようだ。階段もやけに埃っぽく、人が通った痕跡はなかった。
「あの階段はなんだろう?どこに繋がっているのかな…」
なんとなく気にはなるのだがグラディエーターの列が手前にあるので行かれそうにない。
「ちょっと入ってみるか」
サイリルは横切るために男達の列に割り込む。その時、グラディエーターの列が動き出した。
それに巻き込まれるようにサイリルは運ばれていく。いや、誰かが意図的にサイリルを抱きかかえている。
あり得ないことであった。グラディエーターでもない少年が列に割り込んで闘技場に入れるはずがない。

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