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ソノン闘技場の出来事
官能リレー小説 - 同性愛♂

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ソノン闘技場の出来事 13

そのうち、闘士達は混乱を起こした。大勢が通路に殺到したことで動けなくなったのだ。
「お前もアレを狙っているのか!」
「あんな魔力を放つもの、逃すわけには行くまいよ」
「なんだかわからねえが凄いものではあることは確かだな…」
狭い通路に闘士達が塊になって、ついには動かなくなった。人が増えすぎたのだ。
「早く進めよ!動かないだろ!」
「押してくるな!前が詰まっている!」
「これじゃ死人が出る」
あちこちで男の叫び声が聞こえ始めた。
密集して動けなくなった闘士、そこに流出した魔力が襲いかかる。
開口部から垂れ流される魔力はひとかたまりになっていた彼等を覆い尽くしながら流れていく。まるで濃い煙幕が張られたかのようだ。
黒い煙の中で彼等の装備が溶けていく。
鎧や兜が消え、服が消える。その下からは筋肉質な肉体が現れた。
「うわあああっ!?」
「なんだこれは!!」
悲鳴が上がり始める。しかしそれはすぐに静まった。
やがて黒い煙が晴れるとそこには裸の男達の姿があった。

「くそっ……なんだったんだ今のは?」
「おい見ろよあれ」
誰かが指差したところを見てみると、そこには黒々とした毛に覆われた肌を持つ獣のような男が立っていた。
「まさか、俺か!?」
指を指された男が唖然とする。
男は自らの体を見下ろした。腕と足には毛皮があり、腹筋は割れている。顔にも毛が生えており鼻先が突き出ていた。
「そんな馬鹿な、俺は人間だぞ?獣じゃない……」
狼男のように全身を覆う体毛と尖った耳、そして鋭い牙。それは紛れもなく彼もまた魔族の一員であることを示している。
周囲の男達はそのディーテリヒという名の男を取り囲んだ。いきなり狼男が出現したのだ、警戒するのも当然だった。
「おいっ!これはどういうことだ!」
「説明しろ!」
「さっきの魔法は何をしたんだ!?」
「誰がこんなことをしやがったんだ!!」
口々に責め立てる素っ裸の男達。
しかしこれはサイリルが引き起こした事なので、ディーテリヒは無関係だ。

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