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聖水を浴びる者
官能リレー小説 - 同性愛♂

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聖水を浴びる者 10

あわてふためく山賊の荷車から本が転がり落ちる。
どこかから盗んできたらしきその本にはオークと人間が戦うような話が書かれていた。
もちろんこれは後世の作家による完全な想像による創作なのだが、厄介なことにオークの肌の色が一致していた。
もちろん実物のオークと大きな差異がある。しかし、山賊達は動揺していたので冷静に観察することすらしなかった。
いつも通り、縄張りで獲物が来るのを待ち伏せていた時。
明らかに人間とは違う生物が、目の前の現れたのだ。
学の無い彼らは創作と実話の区別がつかず、うっかり信じ込んでしまった。
そして人を襲う怪物に武器を見せ付けられ、腰が抜けてしまったようだ
オークは武器を置いて降伏の意思を示した。
それは混乱状態にある山賊達にとっては効果がなかった。
山賊の一人が飛び出して、置かれたオークの武器を奪おうとしたのだ。更に数人がそれに続いた。
オークは元から攻撃の意思はないのでその場から動かなかった。
最初の一人が武器を持ち上げようとした時、思いもよらない重さに転んでしまった。
あとの者たちは突然倒れた男に驚き、足を止めて警戒を強めた。
「な、何でこんな重ぇんだよ! 化け物は、こんなもん振り回せんのかよぉ!」
「んだよ! 俺たちを舐めてんのかよ! ちくしょおぉ!!」
オークに対する脅威は次第に歪んだ方向に向かい始める。
山賊達はどうにか武器を動かすと、オークを逃げられぬように集団で取り囲んだ。そして装備を剥いでいく。
明らかにまずい方向に話が進んでいるのだが外に出たばかりのオークは反応ができない。

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