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聖水を浴びる者
官能リレー小説 - 同性愛♂

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聖水を浴びる者 1

王宮の中央に位置する神殿。ドーム状の建物の中には聖水で満たされた泉があり、中央の祭壇から聖水が湧き出ている。
『精霊王の息吹』と呼ばれるこの場所は、嘗て精霊王が邪悪なモノに侵されようとする人間に、救済の手を差し伸べるべく己が身を投じて創り上げたものだといわれている。
現にここから湧きでる聖水を浴びた者は、邪気を祓い、毒や狂気に侵された身体と心を浄化し、力を与える。

その澄んだ広い泉の中に白い筒状の物体が沈んでいた。
祭壇から涌き出る聖水の流れによって不規則に転がりながら沈む位置を変えていくそれは性具だった。筒の内側は柔らかく締まり、外側は卑猥な突起がびっしりと生やされている。
この泉には似つかわしくないそれは透き通った水の中で異様な存在感があった。
こんな物を誰が泉に投げ込んだのであろうか?
いつの間にか沈んでいたその物体は、侵入者の男達を引き寄せていく。

冒険者の集団が荘厳な扉をこじ開けて流れ込んできた。
王宮とはいえ既に寂れて廃墟化しつつあるこの国では侵入は容易だった。
入ってすぐに周囲に敵影がないか罠は発動しないか警戒を強め、目的のものに近づく。
前衛をまとめる若い男の指示に従い、数人が円を描くように警戒網を築く。
その中心では男装のフードを目深に被った斥候職、それと少し年上の杖を持った男が泉へと近寄った。

「ここが『精霊王の息吹』……浄化の力を持つ聖域ですか。」

膝の下まであるローブに身を包んだ男は、関心したように周囲を見渡した。
すると隣から、わりと高めの声が話しかけてくる。

「情報に寄れば罠の類は無い。だが先客がいるかもしれないし、置き土産も考えられる。」

そう言うとフードの人物は警戒網の外、荘厳な彫り物がされた壁や柱を注意深く調べ始めた。
入れ替わるようにリーダー格の若者が、前衛への指示を終え男へと声をかける。

「どうだ、依頼品は手に入れられそうか?」

「えぇ、依頼主から言われた聖水に間違いなさそうです。ギルドの情報とも一致しますし……」

「そうか。こちらも敵影は特になし、隠れている奴も……まぁ、大丈夫そうだな。」

物陰や隠し部屋の類の捜索を終え、罠の警戒に移った斥候の方を見ると、そう結論付けた。

「あとは扉からここまでの間の罠だが、これも反応していないな。」

前衛組みが壁になりながら警戒していたが、作動する気配も無かった。

「えぇ、あちらの捜索が終われば安全は確保できます。皆を休憩させ、聖水の採取を終わらせましょう。」

ローブの男が微笑みを浮かべ若者に語りかける、それに生意気そうな笑みが返ってきた。
その時、二人は泉の中に謎の物体を見つけた。

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