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聖水を浴びる者
官能リレー小説 - 同性愛♂

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聖水を浴びる者 19

傭兵であるスタンリーだ。彼は泉の探索に参加するはずだったのだが、偶然行くことが出来ず傭兵集団行方不明事件に巻き込まれなかったのだ。
彼は屈強な男ばかりが消えたことを不信に思っていた。
しかし、情報が伏せられているので彼には何もできないでいた。
「やはり亜人が事件に関わっていたんだな…」
スタンリーは彼を行方不明事件の関係者だと思い込んだ。
無防備な彼に近寄り、首に剣を突きつけた。
オークは不安定な足場のせいで反応が遅れてしまう。少しでも動けばバランスを崩してまた植物の中に落ちてしまいそうだ。
トーバードは「危ないから止めろ、落ちるじゃないか」という意味の叫びをあげる。
いくら力で勝る野人とはいえこのしがみつく状況では上手く動けない。
スタンリーも引かない。相手がこのような状況でないと自らがあぶないとわかっているからだ。
「メセ・オ・トルティピット、ハセオ・レ・ピュセット……『ギ・ゼル・ブランガ』」
相手に言葉が通じていないことに薄っすらと気づいたトーバードは、抗議の中に呪壁の術言を交ぜて唱えていた。
肌の上に広がった壁が剣を上滑りさせるのに合わせ、ロープを手繰りながら外側へと身を躍らせた。
亜人の奇妙な言動に気づいたスタンリーが刃を滑らせていくなか、空中で身を捩った野人の上空で解けた結界の中から、彼の装備が零れ落ちてくる。
地面へと転がり落ちた時にはすでに、トーバードの体を外套が覆っていた。
ロープに荷物や下穿きを括りつけて肩に掛けると、背中側の風景へゆらりと溶け込んでいった。
傭兵の矜持か何とかスタンリーが構えなおした時には、すでに亜人の気配を捉えきれていなかった。
スタンリーは亜人の行動に不信感しかなかった。
「やましいところがあるから逃げるんだな…」

彼は亜人が入っていた卑猥な壷状植物を利用しようと考えた。これならあの屈強な亜人を捕獲できるからだ。
同じオークが同じ罠にまたはまるとは思えないが、スタンリーにはある作戦があった。

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