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聖水を浴びる者
官能リレー小説 - 同性愛♂

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聖水を浴びる者 15

彼らが射精するたびに風船は厚みを増し、その手足に絡みつき肉棒を扱きあげる。
少年フィルは化け物が起きないのを確かめると、肉串を一本つかみ村目掛けて駆け出した。
洞窟が見えないくらい離れた辺りで立ち止まり何かをすると、肉の無くなった串を残して気配が遠のいた。
若者にとって小動物がうろちょろしようと、餌を掠め取ろうと興味は無く。
敵意のない外敵未満を意識することなく、体を休めて朝を待った。
翌朝目覚めた野人は腰巻を外し、下穿きに形を整えると狩りに歩き出した。
山賊は邪水に弄ばれグッタリとしていたが無視し、昨日の残りを噛み締めながら朝日を浴びる。
フィルが串を落としていった辺りに野人は向かう。別になにかを調べるためではなく、たまたま行きたい方向がそこだっただけだ。
すぐに捨てられた串が目に入ってきた。少年が慌てて肉を食いちぎった痕跡がまだ生々しく残っていた。
石を拾うと横の木に印を付け、周囲の食料を探して歩きまわる。
小動物が向こうへ向かったのなら、次の禍福もそちらから来ると思ったのだろう。

太陽が真上へと来る頃には、危険意識の低いウサギやシカを縊り、泳ぎまわる魚を何匹か掬い取った。
果実の樹の位置も頭の中の地図に書き込んだので、こちら辺は庭と呼べるだろう。
まだ調べていない方向へ向かうか、一度食料を洞窟へ納めるか迷っている若者。
洞窟に戻るか…そう思い振り向いた時、洞窟から何かがわらわらと飛び出してきた。
白い殻を突き破った山賊達だった。どれもまっ白い褌を締めている。
そう見えたのは一瞬のことで、違っていた。細く伸びた白い塊が褌のように絡み付いているだけだ。

白い球体の中で分離した塊が紐状に変化し、彼等に装着されたのだ。それにより彼等は殻を突き破ってしまった。
見たことのない変化だった。
スライムのようにまとわりついたり包んでしまう流体が固形の紐となるとは考えにくい。何か別の要因があるのかもしれない。
野人は山賊の男達を放置したことを後悔した。

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