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予期せぬ再会
官能リレー小説 - 時代物

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予期せぬ再会 2

「へっへっへ…楽しみだぜ…」
「ああ…本当に楽しみだ…」
二人の顔には下卑た笑いが浮かび、これから起こるであろう淫らな出来事への期待に胸躍らせていた。
既に日は落ちかけており、空には夕焼けが広がっている。
「そろそろ暗くなってきた。急ごうぜ」
「おうよ」
褌一丁の駕篭の運び手がそんなやり取りをしているのが中の二人に聞こえてくる。
夜の森というのはそれだけで不気味なものだ。しかし、そんなものは駕篭の中の二人にとってはどうでも良かった。
早く着かないかという焦りだけが心中を支配していく。
そんな時である。突然、森の奥から甲高い悲鳴のような音が響いた。
それは獣の鳴き声にも聞こえるが、どこか人の叫び声のようにも聞こえる不思議な音であった。
運び手達の動きが止まる。
「おい、何の音だ?」
「わかんねぇ…だが妙な気配を感じる…」
「うおっ」
「ひえええ!」

駕籠がどさりと地面に落ちた。

「逃げちまいやがったか。まあいい。もう少しで降りるところだったからな」
「女村の誰かが襲われたのかもしれんぞ」
「だとしたら助けないわけにはいかんな」

栄吉と朝次郎が駕籠から出ると、駕籠かき達は魂を飛ばすように、もと来た道を逃げ戻っていく後ろ姿が見えた。

「悲鳴は前の方だったぞ」
「駕籠かきどもは、あのまま逃げりゃ助かるだろう。金はもう払ってあるし、命あっての物種だ」
「そうだな、行こうぜ」

朝次郎と栄吉が、悲鳴のあった方へ走り出す。

「きゃああ!!!」

今度は間違えようがない。女の叫び声だ。

「やべえな」
「女村のおなごだろうな。急げ!」
「おう」

朝次郎はさっきの駕籠かきの事も気になり、ちらっと後ろを振り返る。
緩やかに曲がりながら登ってきたので、だいぶ先まで道が見える。
その道を、逃げ下る籠かきの姿が見えたので朝次郎も安心して悲鳴のしたほうへ駆け上がる。
人らしい姿を見つけた栄吉が声をかける。

「どうした!」
「ああ、助けてっ!蛇が!」

若い娘が、大蛇に襲われかけているところに出くわした。

大蛇は木の幹を這い上がった状態で、今まさに娘の頭に喰らいつこうとしている。栄吉、いや朝次郎も見たことのない大きさだ。
それがまるで、黒光りする男根のような形をした頭をもたげ威嚇するように牙を剥き出しにしている。
「な、なんだあれは…」

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