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妖怪の居る森
官能リレー小説 - 時代物

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妖怪の居る森 1

森の奥で褌だけを身に付けた筋肉隆々の山賊達が酒盛りをしていた。
彼等は昨日ある儲け話を聞いており、それについて上機嫌にやり取りをしている。
「あれを捕まえればいいんだな」
「だが、どうやって?」
「さあ? まあ、なんとかなるだろう」
彼等は自分達の勝利を確信していた。
何故なら相手は一体しかいないのだ。
とはいえ、油断はできない。
何しろ相手は得たいの知れない妖怪なのだから。彼等は酒を飲みながらその時を待っていたが次第に緊張が緩み、卑猥な話へと移行していく。
「ところでよぉ……最近ご無沙汰だから誰か女でも攫って犯そうぜ」
「馬鹿かお前は!ここには例の妖怪が居るかも知れないんだぞ?」
「居なきゃ困るぜ、そいつを捕まえに来たんだからな」
「まぁな」
山賊の一人が酔っ払いながら立ち上がる。
「どうした?」
「ああ。飲みすぎた。ちょっと、小便行ってくる。」
「妖怪に襲われないよう気ぃ付けろよ。ハハハ!!」
山賊たちが笑いながら、小便に行く山賊を見送った。
「ところで、妖怪ってどんな奴なんだ?大きいのか?小さいのか?」
「それがよ、何でも身の丈七尺近い大女で、狼の耳と尻尾をもち、怪力で獲物を取って食うらしいぜ。狼のようにすばしっこくて、しかも別嬪らしいぜ」
「本当かぁ?てめえの夢じゃねえのか?」
訳知り顔で言う奴に、他の山賊達が笑い出す。
「ゲヒャヒャ、そいつぁ傑作だ!」
「いや本当だって!麓の村で聞いたんだって」
そんなやり取りをしながら、山賊達は酔いつぶれていった。
夜の森には静寂だけが満ちていた。
鳥も虫も獣さえも息を潜める闇の中、小便をしにいった男は戻ってこなかった。
やがて朝になり、残りの男達が集まってくる。
「おい!まだ帰って来ねぇのか!?」
「まさか本当に喰われちまったんじゃ……」
不安げな表情を浮かべる山賊たちだったが、次の瞬間、茂みのほうからガサガサという音が響く。
一斉に振り返ると、茂みの中から小便をしに行っていた山賊がフラフラしながら現れた。
彼は褌を締めておらず、巨根が硬くそそり立っていた。
フラフラと山賊が近づいてくる。いや、頭を上から片手で掴まれている。
「これはあんたたちの仲間かい?」
やや低音だが、若々しい女の声が彼らに問いかける。
驚く山賊たちの前に彼の背後から、声の主はのっそりと姿をあらわした。
「でけぇ……」
「化け物みてぇな女だ」
「八尺ちけえんじゃねえか」
「でも、美人……だよな」
着流しめいた衣装を着崩したそいつは、六尺を優に超える身長を持つ、精悍な美貌を持つ大女だった。
山賊たちは怯えながらも、だらしないような装いの彼女が、実に男好きのするいい体なのを見逃さなかった。

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