大正★陰陽伝 6 (ああ……これで、痴女にならなくて済むのね……) 実感がわいてくるにつれ、京子の中で晴也への想いが、ふくらんでゆく。 京子の喜びと感謝と慕情の瞳と、彼女を救えて安堵する晴也の瞳がたがいに見つめ合う。 根は清純なのだろう。晴也は京子の瞳の清澄さを見てとった。 カフェーの女給をしていただけあって、京子は結構な美人さんでもあり、見つめられた晴也も意識してしまう。