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大正★陰陽伝
官能リレー小説 - 時代物

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大正★陰陽伝 2

美女はどことなくオドオドとした様子で晴也に言った。
「あの…私、新聞の広告を拝見いたしまして…」
「…あ、ひょっとして依頼ですか?」
「……」
何も言わずにコクリと頷く美女…。
「やあやあ、そういう事でしたら…そうですな、こんな所で立ち話も何ですから…とりあえず私の部屋へお上がりください」
晴也は美女を自室へ招いた。

一方、家へ戻って来た小春はというと…
「お母さん!あの四号室の土御門さん、早く追い出してしまった方が良いわよ!」
「あらまあ小春さん、一体どうしてそんな事を言うの?」
いきり立つ小春に、ほんわかと柔和な笑みを浮かべる妙齢の女性。
彼女は小春の母で、名は春美(はるみ)…数年前に夫を亡くし、女手一つでこの下宿屋を切り盛りする未亡人である。
美少女である小春の母親だけあって、彼女もまた美しい容貌をしていた。
しかも小春ほどの娘がいるとは思えぬほど若々しく、それでいて熟女特有の艶っぽい雰囲気も持ち合わせている。
和服のために体の線は良く判らないが、一つだけ…その胸だけは、まるで西瓜(すいか)を二つ並べたかのように大きく膨らんでいた。
「小春さんは土御門さんを誤解しているわ。あの方は少し変わってはいるけれど、心根の優しい方ですよ。つい先日も…何でも悪霊を祓う力のあるとかいう“退魔の御札”というのをくださってね…ほら、ご覧なさいな」
そう言って春美は側の柱を指差した。
何やら奇妙な模様と共に“悪霊退散”と書かれた札が張られている。
「まあ!一体いつの間に…!お母さん、この科学万能の世の中に悪霊だなんて、そんなものがある訳が無いでしょう!こんな物、剥がしてやるわ…ていっ!」
小春は札を引っ剥がすとクシャクシャと丸めて屑籠(くずかご)へ放った。
「あらまあ小春さんったら…そんなひどい事をしなくても良いじゃありませんか」
「構う物ですか!女学校の先生が仰っておられたわ…婦女子とはいえ今や世界の第一等国たる大日本帝国の臣民たる皆さんは断じて前近代的な迷信などに目を覆われるような事があってはなりません…ってね!」
小春が啖呵を切っていると、玄関の方から晴也の声がした。
「あのー、すいませーん!大家さん、いらっしゃいますかぁー!?」
「あらまあ、噂をすれば影だわ…はいは〜い!いま参りますよ〜!」
春美はクスクスと微笑みながら早足で玄関へ向かう。
その後ろ姿を見て小春は思った。
(お母さんったら土御門さんが来た途端にあんなに嬉しそうな顔をして…まるで恋する乙女じゃない…そりゃあ確かに土御門さんは“顔だけ”は良いけれど…お母さんは亡くなったお父さんの事を忘れてしまったのかしら?だとしたら何て不誠実で不潔なんでしょう!)
母が時おり垣間見せる“女”の顔に、娘として複雑な心持ちになる小春であった。

一方、玄関では…
「土御門さん、一体どうなさったんですか?」
「はあ…実は今、私の部屋に客人が来ておりましてですね、もてなしに茶の一杯でも出してあげようと思ったんですが、こんな時に限って情け無い事に茶葉を切らしてしまいまして…それで、お茶を少し分けていただけないかと思い参上した次第でして…」
「あらまあ、そうだったんですか。それは大変…すぐに持って来て差し上げますよ」
踵を返して台所へと急ぐ春美に晴也は更に図々しいお願いをする。
「…あ、出来たら急須(きゅうす)と湯飲みも貸していただけたら有り難いのですが…いや、私の部屋には薬缶(やかん)と欠けた茶碗しか無くて…」
「まあまあ、それでしたらいっその事、私が淹れてお部屋まで持って行って差し上げましょうか」
「…えぇっ!いや、とんでもない!そこまで大家さんのお手を煩わせる訳にはまいりませんよ」
「良いんですよ、どうせ暇ですから…♪」
そう言って微笑む春美…確かに小春の思う通り、彼女は晴也を男として意識しているのかも知れない。
もっとも当人にその自覚があるか無いかは定かではないが…。

春美が台所でいそいそと茶を沸かしていると小春が怒鳴り込んで来た。
「お母さん!さっきのあれは一体どういう了見なの?」
「あら小春さん、“どういう了見”ってどういう事かしら?」
「まあ、とぼけるつもりね?たかだか下宿人のお客に大家たる者がお茶を出してあげるなんて…お母さんは土御門さんに甘すぎます!だいたいそのお茶っ葉は(家の)お客様にお出しする一番良い物じゃない!あんな下宿人ごとき、一番安い茶で充分だわ!」
「“下宿人ごとき”だなんて…小春さんは逆に土御門さんに冷たく当たりすぎだと思うわ」
小春は胸を張って言う。
「当たり前です!あんな得体の知れない怪人物…どこが良いのか私にはサッパリ解らないわ!」
一方、想い人(?)を罵られた春美も負けじと胸を張って言い返す。
「か…怪人物だなんて…酷いじゃない小春さん!言いすぎですよ!あなたこそ本当の所は土御門さんの事が気になっているんじゃなくって…!?」
「はあ…っ!?わ…私が!?一体何がどうしたらそういう事になるの!?」
「あら、小春さんのように気性の強すぎる娘(こ)には良くある事だって聞いたわ…本心では好いているのに素直になれず、殿方につい辛く当たってしまうという…そうなんでしょう!」
そう言って春美はフンッ!と自慢の爆乳を小春の胸に押し付けた。
「そ…そそそ…そんな訳無いじゃない!!言い掛かりも大概にしてちょうだい!いくらお母さんだって怒るわよ!?」
小春も母には劣るものの充分すぎる程に立派な巨乳を押し返して対抗する。
母娘の豊乳がムニムニと押しつぶされ合って形を変える。
やがて両者は乳首が勃起して妙な気持ちになってきたので慌てて離れた…。

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