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今日からお殿様!?
官能リレー小説 - 時代物

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今日からお殿様!? 18

 ドカッ!!
「おごおおおっ!!!」
 だが和馬よりも早く、陣兵衛の顔面に誰かの足がめり込んでいた。
 それはなんと、紫月の足だった。
 意識を取り戻していた紫月は気を失ったふりをして必死に反撃の機会を狙っていたのだった。
 180度以上の開脚で、自分の背面にある陣兵衛の顔面につま先を蹴り入れたのだ。
 だが、その限界まで開き切った両脚の間にある御満子もまたぽっかりと口を開け、ぱくぱくと処女穴を見事にさらしていた。
「……………」
 ぶしゅううううううっ!!!
 自分の眼前で満開に花開いた鮮やかな処女花を見つめて、和馬は大量の鼻血を吹き出してばったりと倒れた。
「和馬様! しっかりして下さい!!」
 凛が駆け寄って介抱し始める。
「まったくだらしのねぇ男だな、お前は! ははははっ…。おい、紫月、これでも羽織れ」
 竜はそこらに転がっている男から半纏を奪い取ると、紫月に投げてよこす。
 紫月の後ろには既に楓が立っていて、猿ぐつわと縛めを解いている。
「じゃあ、そろそろ俺達もそこの猪牙船で脱出するぞ!」
「え…? これでもう事件は解決だろう?」
 凛に介抱されてようやく落ち着きを取り戻した和馬が聞き返すと、竜はがっかりしたように言った。
「とことん勘の悪い野郎だな…。俺達が奉行所で取り調べを受けたら色々とまずいことがあんだろ! とっとと行くぞ!!」
 こうして五人は大捕物の喧騒を尻目に、船に乗って夜の川へと逃れて行った…。

 気がつくと夜は白々と明けていた。
 竜が船頭となって竹竿を操りながら、和馬、紫月、凛、楓を乗せた猪牙船は進んでいく。
 半纏一枚を羽織っただけの紫月は、和馬にぴったりと寄り添って何も言わなかった。
 自分が一番気にしていたかわらけの御満子を全部見られてしまった…というだけで顔面が紅潮して何を言っていいのかわからないのだった。
 適当な川岸に船をつけると、竜は和馬と紫月と凛を下した。
「この辺りなら、秋吉田藩の江戸屋敷も近いだろう。此処からは歩いて帰んな」
「お…お前は一体…何者なんだ?! 何故そこまで知っている?」
 和馬が問い詰めると、竜はそっぱを向いて首をかしげた。
「オイラ、ただの遊び人さ。ただし、そこの紫月の兄貴だがな」
(…と、言うことは…!!!)
 和馬の身体を稲妻のような衝撃が駆け抜けた。
 次の瞬間、和馬は凛と共に川べりの土手に平伏していた。
「公方様っ!! ご無礼の数々、平に! 平にご容赦をっ!!!」
「よせやい。ヘソがむずがゆくなるぜ。俺の知らない間に老中どもが勝手に決めちまったこの縁談、一体どんなお坊ちゃんに妹を預けるのかと思ったら、とんだ腰抜け野郎でがっかりしたぜ」
「公方様の御妹君を危険な目に合わせた罪、この償いは腹かっさばいて…!!」
 和馬が正座したままはっしと刀を抜き、着物の胸元をぐっとひらいて腹を出す。
「あーよせよせ。こいつが明るみに出たら、お前一人が腹切っても足りないぞ。秋吉田藩お取潰しは免れねぇ。そしたら一体何千人の藩士が路頭に迷うと思うんだ?」
「そ、それは…っ!」
「だからよ、知らなかったことにしてやるよ。妹をかどわかされて売り飛ばされそうになったなんて、兄貴の面目も丸潰れだしな!」
「はは―――っ!!」
 和馬と凛はさらに平伏して土手に額を擦りつけた。
「まぁ、お前という人間の器もわかったしな。少々おつむは足りないが、真っ直ぐでいい気性だ。これから藩主として徳を積み、領民を幸せにしてやんな」
 そう言い残すと、平伏する二人をよそに竜と楓を乗せた船はどんどん遠ざかって行った。




「上様ちょっと寂しそう・・・慰めてあげようか?」
「うるせえ!!大きなお世話だ!!」



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