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今日からお殿様!?
官能リレー小説 - 時代物

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今日からお殿様!? 17

その頃凛は・・・
(くっこの男出来る・・・)
「フフフ・・・小娘・・・女にしては良い太刀筋だが、相手が悪かったな・・・」
凛は一人の剣士を相手に苦戦を強いられていた。
「さすが先生だ!!オイッ野郎ども!!先生に加勢するぞ!!」
「「「「ヘイ!!」」」」
(くっマズイ・・・)
だが、次の瞬間加勢しようとした男の腕が飛んだ。
「ひい〜!!・・・う・・・腕が〜俺の腕が〜」
「オイ!!バカども!!俺は今楽しんでいるんだ!!次に手え出したら首飛ばすぞ!!」
切ったのは、人買い共から先生と呼ばれた男だった。

「フフフ・・・小娘・・・貴様が何故男装をして、この場に居るなどと言うのは、どうでも良い事だ・・・さあ!!俺をもっと楽しませろ!!」
(哀れな・・・この男・・剣の魔性に魅入られたか・・・)
凛の祖父である厳斎(ガンサイ)は、常々剣の道を進む者は、剣の腕と同時に心も強く鍛えねば成らないと教えているが、凛は目の前の男を見て、初めて本当の意味で祖父の教えを理解した。
「・・・残念だ・・・これ程の剣士に成るまで、貴様が一体どれ程の鍛錬を積んで来たか私にも分かる・・・だが!!道を踏み外した剣士が振るう刃は、どれ程強くとも、凶剣に過ぎぬ!!貴様は今この場で殺しておかねば、ならぬ男のようだ!!」
凛の本気の殺気を感じて、男の顔も喜びで歪む。

「ククク・・・良い目だ・・・さっきまでは、腕は良くとも、人を殺した事の無い乳臭い目をしていたが、今は本気で俺を殺すという目をしてるぜ・・・」
二人の間に一瞬静寂が訪れる。周りを取り囲んだチンピラたちも、二人の間に渦巻く殺気に当てられ、静まりかえっている。
「イクゾ!!」
先に動いたのは、男の方だった。
男は刀を上空に掲げると、鋭い動きで、凛の脳天に太刀を振り下ろす。
だが、決まったのは、凛の太刀であった。
凛は男が動いた瞬間相手の懐に飛び込むように、自分の剣を突き出したのだ。
「み・・・見事・・・」
男は最後にそれだけを言うと事切れた。その死に顔は、満足げな笑みを浮かべている。

「せ・・・先生がやられちまった!!もうダメだ!!逃げるぞ!!」
人買いの手下たちは、蜘蛛の子を散らすように逃げ去る。
(ま・・・マズイ!!このままでは、逃げられる!!)
凛がこの事態に焦りを覚えると。

ぴ〜!!ドン!ドン!ドン!

「え?」
屋敷の外から太鼓の音が聞こえて来た。



だが、和馬が覚悟を決めて目を瞑ったその時。実にタイミング良く助っ人がやって来た。
「オイ!!この馬鹿!!何女を助けもせずに諦めてんだコラ!!」
(え?)
そこに居たのは遊び人の竜だった。
「たく!!人の計画ちゃんと聞いて無かったのかよ!!囮が俺でお前らが本命だって言っただろうが!!・・・まあお前らが囮に成ってくれたお蔭で、牢屋の女は全員助けられたがよ・・・」
竜の言葉に男は狼狽する。
「て!!手前!!俺様の商品に何しやがった!!」
「ハハハ悪いのは耳か?それとも頭か?牢の女たちは、全員助けたって言ったんだよ!!」
「そ、そんな馬鹿な!!!」
「…それ、嘘じゃないね。全部あたいがやった」
 いつの間にか楓が立て膝待機で竜の後ろにすっと現れた。

 と、その時。母屋の向こうから怒声が上がった。
「御用だ! 御用だっ!!」
「てめえら神妙にしろいっ!!」
 屋敷になだれ込んだ捕り方が、口々に叫んでいるのだった。
 竜があらかじめ準備してあった奉行所への通報が功を奏したようだ。
「…と、まぁ、そういうわけなんでな。親玉の船越屋善衛門がお縄になるのも時間の問題だ。お前もおとなしくしといた方がいいぜ?」
 竜は相変わらずとぼけた調子で言う。
「だが、まだこの女は俺の手の中だぞ? 女の命が惜しかったら道を開けろ!!」
 陣兵衛は抱き起した紫月の首筋に腕を巻きつけながら、ふくよかな乳房にぴたぴたと匕首を当てて見せた。
「なんだったら、この女の割れ目を縦に切り裂いて大きくしてやってもいいんだぜ! あん?」
 シュトトトトンッ!
 楓の投げた手裏剣が二、三枚立て続けに陣兵衛の肩に突き刺さった!
「ぐ…おおおおっ!!」
 思わず叫び声を上げて悶える陣兵衛。
(今だ!!)
 和馬はすかさず駆け寄って陣兵衛から紫月を奪い取ろうとする。

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