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吉原遊郭〜胡蝶亭艶聞〜
官能リレー小説 - 時代物

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吉原遊郭〜胡蝶亭艶聞〜 8

「ハイ、ハイ、からかって悪かったわね・・・でも、悪いけど教えてあげられる事は殆ど無いわ・・・私が知ってるのは、旦那様が数年前この吉原に胡蝶亭を開いてからだから・・・もちろん、私がこの店に売られて来たのは、ずっと後だからその頃の事は噂で聞いただけだけど、何でも旦那様は吉原に現れた時から、既に大金持ちでそのお金とあの美貌で吉原中の名妓と言われる遊女達を次々と引き抜いていったそうよ。それだけじゃなく吉原以外の私娼窟や京都の嶋原、大阪の新町、長崎の丸山、挙句の果てにご禁制の海外から清人やら蝦夷やら南蛮との合いの子まで連れて来て・・・なのに奉行からは何のお咎めも無いし・・・公方様のご落胤じゃないかって噂まであるくらいよ!」
「ま、まっさか〜〜」
さすがに田舎から出てきたばかりの純朴な田舎娘にも、この噂が如何に馬鹿馬鹿しいか判る。
「まあここら辺はさすがに私も無いなと思うけど・・・でも、吉原に姿を現す前の旦那様の過去が謎に包まれてるって事と、旦那様が高い教育を受けているって事だけは確かよ・・・」
「ゴク・・・」
お花は自分を買った男の余りの得体の知れなさに、思わず唾を呑み込む。
その時だった。
「ははは…私が公方様の隠し子か。それは面白いな」
不意に後ろから件の人物の声がしたのだ。
「「だ…旦那様っ!?」」
お花とお染は吃驚して振り返って叫ぶ。
一方、光次郎は未だに取っ組み合いを続けている紅葉と美雪に言った。
「お前達ま〜た喧嘩か…全く仲の良い事だな」
「あ!ご…ご主人様ぁ…っ!?」
「ご主人様ぁ!紅葉が私の事を“花魁もどき”だなんて言うんですよぉ!」
光次郎の姿を見た途端、彼に駆け寄り泣きつく美雪。
「おや、それは酷いな…」
負けじと紅葉も光次郎の袖にすがりついて訴える。
「ご主人様!この女狐の言う事を真に受けちゃ駄目ですよ!美雪だって私の事を“お茶っ引き”と言って馬鹿にしたんですからぁ…!」
「ふむ、それも酷い…これは二人とも悪いな。よし、喧嘩両成敗だ。まだ昼見世が始まるまで時間があろう…二人とも私の部屋へおいで。“お仕置き”をしてやらねばなるまい…」
そう言うと光次郎は左右の手で紅葉と美雪の体(殆ど裸形に近くなっている)を抱き寄せ、乳房や股に手を這わせた。
「ア…アァン…ご、ご主人様ぁ…」
「駄目ですぅ…こんな所でぇ…ンンッ…アハァ…」
それまで髪の振り乱れるのも気にせずに争っていた二人は、たちまち頬を赤らめて艶めかしく体をくねらせながら色っぽい喘ぎ声を上げ始める。
「よしよし、二人まとめてたっぷり仕置きをしてやるから、もう喧嘩なんぞするんじゃないぞ」
「あい、ご主人様ぁ…♪」
「どうか手加減なんてなさらないでくださいましね…?」
そして三人は奥の方…光次郎の部屋へと消えていった…。
その後ろ姿を見送りながらお染はお花に言う。
「…ま、紅葉姐さんと美雪姐さんはいっつもあんな感じかな…」
「そうなんだぁ……良いなぁ、二人とも」
後半のつぶやきはお花の内心が思わず声となって出た物である。
これから二人は光次郎に…そう思うとお花はまた股の奥がズキン…と疼くのを感じて両脚をモジモジと擦り合わせた。
昨夜処女を失ったばかりだというのに…性に目覚めた少女は急速に“女”へと変貌を遂げようとしていた。
そんなお花の様子を見たお染はニヤリと微笑みながら尋ねる。
「ふふふ…お花ぁ、な〜にが“良いなぁ”だって?昨夜、旦那様にた〜っぷり“お情け”をいただいたばっかりのクセに…」
そう言いながらお染はお花に擦り寄り、その身を抱き寄せた。
「あっ…お染ちゃん…!?」
「残念だけど、旦那様とお床を共に出来る機会なんて、そうそう有りはしないよ。旦那様はお優しいお方だからね…」

光次郎は胡蝶亭の遊女たち皆に等しく愛情を注いでいた。
逆に言うと誰とも深く情を交えるという事をしない。
お陰で胡蝶亭では遊女同士の仲は(一部の例外を除いて)悪くない訳だが…。

お染はお花の耳元に唇を寄せ、小声で囁く。
「…だからね、ここでは女同士で慰め合う事なんてのも普通なんだ…」
「あぁ…お染ちゃぁん…」
お染はお花の着物の裾に手を差し込んでまさぐり始めた。
とても十歳前後の少女とは思えない妖艶かつ巧みな手付きに、お花も思わず身悶えしてしまう。
「お…お染ちゃん…そんな所イジっちゃ…あっ!だ…だめぇ!あぁ…っ!!」
小さな絶頂に達したお花はビクンッビクンッと身体を小刻みに震わせた。
お染の手淫はそれほど巧みではなかったが、性に目覚めたばかりの今のお花にとっては肉芽に触れられただけでも快感なのだ。
「来な…良い所があるんだ」
そう言うとお染はお花の手を取って、ある場所へと向かった…。

そこは布団部屋であった。
「ここ、この時間帯は誰も来ないんだよねぇ…フッフッフッ…お花ぁ…た〜っぷり可愛がってあげるよぉ…」
「お…お染ちゃん、目が怖いよ…」
不敵に笑うお染に思わず半歩下がるお花。
だがお染はお花を逃がさんとばかり、彼女に抱き付いて唇を奪った。
「ちゅ…ちゅぱ…あはぁ…お花ぁ…」
「んん…あぁ…お染ちゃん…」
お花も拒みはせず、二人の少女は抱き合って唇を重ねていた。
お染は拙いながらも積極的で、お花の口に舌を入れて絡み合わせ、一方でお花の着物をはだけて胸や股を弄り始めた。

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