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忍者の隠れ里
官能リレー小説 - 時代物

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忍者の隠れ里 21

彼がギラギラした視線でじっと八千代の尻を見ていたことを。
亮鬼はもはや任務のことなど考えてはいなかった。
目の前の女をどう犯すか、狩りの算段を立てるのに忙しかっただけだった。
何しろ相手は同じ里に住む、経験豊富なくノ一。
うかつに手を出せば返り討ちに遭ってしまう。
だからこそ亮鬼はおとなしくしていた、のだが・・・それも徐々に限界を迎えつつあった。
手を出したら危ないと理解していた本能を、早く思うが儘に女を抱き、スッキリしたいと願う性欲が身体の支配権を奪いつつあったのだ。
そしてお姫様のいる籠が目的地の城の近くまで来たとき、ついに亮鬼が暴走した。
「ぐ、ぐる・・・。ぐるがあああぁぁぁ!!」
獣のような叫び声をあげ、亮鬼が八千代の背後から襲いかかったのだ!
「!?」
まさか味方から襲われるとは思ってなかった八千代が、さすがに驚いたような顔を見せる。
しかし腐っても忍者、すぐに立ち直って・・・とまではいかないが、すぐさま襲いかかる亮鬼の迎撃を開始する。
ドゴッ!バキッ!ボコッ!
くノ一とは思えない、見事な打撃の連続攻撃が亮鬼の顔や体にヒットする。
殺さない程度に加減しているようだが、情け容赦のない攻撃である。
さすがは忍の世界、と言ったところか。まあとち狂った亮鬼の自業自得なのだが。
八千代の攻撃を全弾食らってしまった亮鬼が地べたに倒れる。
やはり性欲に狂う前の亮鬼が危惧していた通り、八千代を手籠めにするなどそう簡単なことではなかったようだ。
これでくだらない暴走は片付いたか。と思いきや。
「はっ・・・はーっ、はーっ・・・!ま、さかっ・・・わた、し、ひぁんっ!がぁっ・・・!?」
何やら八千代の様子がおかしい。
突然全身から大量の汗を流し、呼吸を乱れさせながら、何かに耐えるように自分の身体をかき抱いている。
しかもあれだけボコボコにされていたはずの亮鬼が、ゆっくりと身体を起こして立ち上がろうとしているではないか!
八千代は仲間とは言え、暴走した彼を完全沈黙させるつもりであの強力な連続攻撃をたたき込んだはずなのに、いったいどういうことなのか?
その答えはいたって簡単なものだった。
亮鬼はあの時、ただ無様にやられていたわけではない。
その実力さゆえにダメージこそ避けられなかったが、ちゃんと攻撃していたのだ。
その結果、八千代の攻撃力は大幅に減少して亮鬼を気絶させるまでには至らなかった、というのがこの不可解な現象の回答であった。
では亮鬼はいったい八千代に何をしたのか?
それは彼の得意忍術によるものだ。
忍者。暗殺や情報収集を主な生業としている彼らだが、そのすべてがそれに準じた能力を持っているわけではない。
変装、隠行術、幻術などが得意なものがいれば、忍術よりも格闘術や剣術のほうが得意な忍者もいるのだ。
肉弾戦を得意とする中でも亮鬼はかなり特殊なタイプ。
彼が得意とするのは『気功術』。
体内で練り上げた気と呼ばれる生命エネルギーで肉体の強化や治療を行ったり、相手の体調を崩したりすることができる。
今回の場合、殴られながら亮鬼は練り上げた気を八千代に注ぎ込み、半ば無理やり発情状態に持って行ったのだ。
いくら頭の中が性欲一色になっているとは言え、こうまで都合のいい・・・ゴホンゴホン、こうも簡単に先輩忍者の八千代を発情させるとは恐ろしい才能、そして技術である。
もちろん八千代とて儀仁村の忍、快楽には耐性がある。
だが亮鬼はその耐性を上回るために気以外にもう一工夫していたのだ。
彼はマッサージなどで使われる、ツボと呼ばれるポイント。
普通は筋肉の緊張をほぐしたり、血液の流れをよくしたりするのに使われるが、ツボとはそんな生やさしいものばかりではない。
刺激すれば激痛を引き起こすものや肉体の動きを制限したり操作したりしてしまうもの、中にはそこを小さな針1本で貫くだけで死に至らしめるえげつないものまであるのである。
自らの能力を最大限に活かすため、ツボについて様々な知識と技術を習得していた亮鬼は、タコ殴りにされながら発情と淫乱の気を送り込みながら、性交関係のツボを的確に刺激していったのだ。
八千代からすればただ触られただけくらいにしか感じられなかっただろう。
そして吹っ飛ばされたあたりで準備は完了。
八千代の身体はすっかり下ごしらえされ、ごらんのように自分の意思とは関係なく男を求める淫乱女の身体に改造されてしまったのである。
そして下ごしらえの終わった食材がどうなるかなど言うまでもない。
亮鬼という名の料理人に調理され、その胃袋に収まるだけだ。

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