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忍者の隠れ里
官能リレー小説 - 時代物

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忍者の隠れ里 24

「ま…待ってください長老様!お兄ちゃんを種断ちにするのだけは勘弁してあげてください!」
「そうだよ!一度くらいの失敗で種断ちなんて酷すぎるよ!」
「ま…ましてや私達はまだ修行中の身です!」
「長老、慈悲を…」
「どうか亮鬼さんに挽回の機会を与えてあげてください!」
妻達は必死に辰爺さんに亮鬼の減罰を嘆願した。
「…お主ら、早とちりをするでない。誰も種断ちだなんて言っとらんじゃろう…」
「「「へ…?」」」
一同、きょとんとする。辰爺さんは言った。
「…亮鬼よ!お主はまだまだ修練が足りん!今後は実地の任務から退き、また見習い忍者として修行を続け、腕と精神を錬磨せよ!それがお主への“罰”じゃ!」
そう言い渡すと辰爺さんは白い歯を見せてニッと笑った。
「そ…それだけ…?」
亮鬼は半ば呆然としながらポツリとつぶやく。
「何じゃ?もっと重い罰が望みか?」
「い…いやいや!充分!充分です!今後もより一層修行に精を出して、一日も早く立派な忍者になれるよう精進します!」
「うむ、それで良い!カーッカッカッカッ!!」
慌てて返事する亮鬼を見た辰爺さんは愉快そうに高笑いした。
「ハァ…寿命が縮んじまったぜ」
「良かったね、お兄ちゃん」
「ああ、でもせっかく一人前の忍者になれたと思ったのに…ま〜た見習いに逆戻りだよ」
「良いじゃない。まだまだこれからよ。明日からまた頑張りましょう!」
「ああ…そうだな!」
亮鬼は決意を新たにした。

忍者…それは闇に生き、闇に消える者である。
彼らは消して歴史の表舞台には姿を現わさない。
これはそんな彼らの、歴史には語られる事の無かった日常の物語なのである……。



忍者の隠れ里・完


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