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忍者の隠れ里
官能リレー小説 - 時代物

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忍者の隠れ里 18

※※※※

「ふえぇ〜!ここが城下町なの!?」
「すごい・・・!人やお店がいっぱい・・・!」

そして到着しました、城下町。
今まで里を出ることなく修行の日々を送っていた亮鬼たち・・・特にその妻陣営は、初めて見る城下町に驚きと興奮を隠せなかった。

「わ〜見て見て!この簪かわい〜!」
「ねえねえお兄ちゃん、これからお姫様に会いに行くんでしょ?
 変なカッコで行くのも失礼だし、ここで身支度を整えていこうよ!」

忍として過酷な日々を送っていたとは言え、やっぱり女の子。
簪や反物などおしゃれなものに興味津々のご様子である。
亮鬼も華林たちほどではないが、おいしそうなにおいを漂わせる屋台や腕に覚えのありそうなものたちのパフォーマンスに大きく心が揺れ動いていた。

「はいはい、いつまでもバカなことやってるんじゃないわよ、まったく」

スパンッ!スパパパパパパーンッ!

「あいたぁッ!?」×7
「村を出た時点でもう仕事は始まっているのよ?
 くだらない物欲なんて忘れておつとめに集中しなさい」

そんな田舎根性丸出しの面々に美夏、八千代の2人が頭をひっぱたいて正気に戻した。
さすがは亮鬼たちの先輩。しっかりと欲望をコントロールし、仕事に集中している。
このあたりの意識の差が初めて仕事をする新兵にはない、プロ意識というものなのだろう。

「それと護衛対象にどうあいさつしようかなんて考える必要はないわよ?
 そっちのほうはお偉方のほうで話を済ませてあるから。
 私たち下っ端は忍者らしく、黙って影ながら護衛するだけよ」
「さ、わかったらさっさと行きましょう。私たちが着く前に何かあっては話にならないものね」

こうして亮鬼たちは城下町を見物するヒマもなく、さっさとお姫様の待つ城へと向かうのであった。
美夏と八千代は城の門番に用件を告げると、亮鬼たちは城のある一室の前へと案内された。
てっきり部屋の中でお姫様とご対面と思っていた亮鬼たちは、思わず美夏たちに疑問を口にすると。
彼女たちはあきれた様子でこう答えた。

「何バカなことを言ってんの。
 お姫様よ?この藩でもっとも偉い人の娘よ?
 そんな大事な娘をどこの誰とも知れない人間においそれと会わせるわけがないでしょう」
「忍者なんてしょせんお偉方から見れば使い勝手のいい道具ですしね」
「え?それじゃどうやって警護すんだよ?」
「籠の中にいるお姫様に怪しいヤツが近づかないよう、離れたところから警備するのよ」
「ええっ!?そ、そんな警備で大丈夫なの!?」
「大丈夫にするのが、私たちのお仕事。さ、そろそろ静かにしなさい。
 依頼主がお見えになるわよ」

八千代にたしなめられ、亮鬼たちはあわてて美夏たちにならって地面に額をこすりつける。
すると間もなくして障子が開く音がして何者かが表に出てきたのがわかった。

「待たせたな。皆の者、面を上げよ」

中年の男特有の渋い声の許可をもらい、依頼主の顔を見てみると。
そこには2人の部下を引き連れたいかにも上司と言わんばかりの中年侍がこちらを見下ろしていた。
これがオレたちに仕事を依頼した人か。
無礼にならないよう、亮鬼たちは気を使いながら侍の顔を記憶していると。
亮鬼たちの顔を一通り眺めた男は美夏たちと会話を始めた。

「この者たちが姫の護衛か?ずいぶんと若いようだが・・・」
「は。ご推察のとおり、若輩ではありますが姫様をお守りするに足る実力は備えております。
 どうかご安心を」
「うむ。何もないとは思うが、これも我が藩のさらなる繁栄のために必要な一大事。
 くれぐれもよろしく頼むぞ」
「かしこまりました」
「どうぞ、我ら儀仁忍軍におまかせください」

その言葉に依頼主は軽くうなずくと、さっさとその場を後にした。
どうやら謁見はこれで終了のようだ。
おそらく事前に必要なやりとりは済ませていたのだろうが、予想以上のあっけなさに亮鬼たちはすっかり拍子抜けしてしまった。

「何だぁ?オレたちを呼んでおいて、あれだけかよ?
 仮にも大事なお姫様の護衛を任せるってのに、えらくあっさりしたもんだな」
「うん・・・もっといろいろ言われるかと思ってた」
「ほら、みんな気を抜かない!
 私たちはあくまであなたたちの補助であって、お姫様を守るのはあなたたちなのよ?
 初任務で失敗したくなかったら、しっかりしなさい!」
「それにあのそっけない態度はそれだけ私たちが信頼されているってこと。
 でなければ藩の大事なお姫様の護衛を任せようなんて思わないでしょ?」

美夏と八千代にたしなめられ、あわてて気を入れ直す亮鬼たち。
辰爺の言うとおりこれは楽な任務なのかもしれない。
だがこれは訓練ではなく任務。実戦だ。
いくら研鑽を重ねていようが、前準備を入念に行っていようが、時には思わぬアクシデントに見舞われることもある。
何より自分たちの失敗が村の存続にかかわるのだ。
亮鬼たちは自分たちに喝を入れ、気合を入れ直した。
さて依頼主との顔合わせが済んだところで、今度はいよいよ任務の開始となる。
まずはどのようにお姫様を護衛し、目的地まで連れて行くのかミーティングを行った。

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