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忍者の隠れ里
官能リレー小説 - 時代物

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忍者の隠れ里 14

言われてみれば亮鬼は素っ裸…しかも同じく全裸の淫雌の一人を抱きかかえて繋がっている。
まるで睦み合っていた男女が寝所からそのまま脱け出して来たかのような姿である。
「う…うるせえ!!俺にも色々事情があったんだ…ていうか、その様子じゃあどうせ全部知ってるんだろう!?」
「まあな…しかし、お主の言う事も一理あるかも知れぬのう。なれば楓に更正の機会を与えよう。楓、お主はこの亮鬼専用の孕み腹となれ」
「え…えぇ!?わ…私が亮鬼さんの…専用…孕み腹…?」
「何だそりゃ?」
個人専用の孕み腹というのは儀仁村でも前例が無かった。
「それは事実上、五人目の妻と思って良いのか…?」
「いいや、孕み腹じゃからのう。妻達よりも地位は下となる。ただし処遇は主人である亮鬼に任せる。死ぬまで亮鬼に仕え、亮鬼に犯され、亮鬼の子を産む、亮鬼専用孕み腹じゃ」
「何だか妙な事になっちまったなぁ…楓?」
亮鬼はボリボリと頭を掻きながら楓の方を見た。
すると楓の瞳からポロポロと涙がこぼれ落ちて来た。
「う…うぅ…うわあぁん!!亮鬼さぁん!!あ…ありがとうございます!!ありがとうございますぅ!!うわあぁぁん!!!」
楓は亮鬼に駆け寄り、横から抱き付いて激しく泣きじゃくった。
ずっと奴隷として心も体も狼鬼に支配されていた彼女だったが、今ようやく解き放たれたのだ。

辰爺さんは零鬼の方に向き直って言った。
「零鬼、お主もご苦労じゃったな」
「いえ、結局最後は楓に助けられました。自分もまだまだ未熟者です」
零鬼は華林と成美を両脇に抱えたまま片膝を付いて辰爺さんに頭を下げた。
それを見た亮鬼は不思議そうに尋ねる。
「何だ?零鬼、あんた一体何者なんだ?」
「実はな、この零鬼はワシらの間諜(スパイ)だったのじゃ。『常に仲間達を見張り、少しでも怪しい動きをする者があれば逐一ワシらに報告するように』と言い付けておった。さらに『誰かが殺されそうになった場合には守ってやるように』ともな」
「そ…そうだったのか…!」
零鬼は見習い達の中でも実力・人格共に優れ、長老達からも信頼されている少年だったのだ。
「何度も俺達の前に現れて口うるさくちょっかい出して来たのは、俺達が狼鬼に狙われてたのを知って助けてくれようとしてたんだな?でも俺は狼鬼の演技に騙されて、華林達を危険な目に合わせちまった…俺は完全に真実と嘘を見誤ってたって訳だ。自分が情け無え…」
「気に病むな。皆無事だったんだ。お前はまだ見習いとしての修行を始めたばかりだ。過ちから学べ。そして二度と同じ過ちを繰り返すな」
「その通りじゃ。古人も言うておろう。『過ちを改めざるを過ちと云う』とな。ところで亮鬼、お主、何か大切な事を忘れておらんか?」
「は?…あぁ!!そうだ!俺達、競争の真っ最中だったんだ!最下位は種断ちと孕み腹にされちまうんだったぁ!!」
「ホッホッホ…零鬼はワシらの間諜じゃから順位には数えられん。そして他の夫婦達は既に全員が終点に辿り着いておる。ゆえに亮鬼、お主達が最下位じゃ」
「そ…そんなぁ…っ!!?」

亮鬼は力無く山頂に辿り着き、居並ぶ他の見習い達に言った。
「みんなぁ…短い付き合いだったけど、みんなの事は忘れねえぜ…」
美夏が歩み出て、亮鬼の前で立ち止まって言う。
「亮鬼君、何この世の終わりみたいな顔してるのよ?」
「美夏さん…俺達…最下位だから種断ちと孕み腹にされちまうんでしょう…?」
「あぁ!それ嘘。みんなのやる気を出させるための冗談よ冗談♪」
「え…えぇ〜っ!!?」
亮鬼は思わずひっくり返った。
彼は今日一日の内に何度人生の終わりを覚悟しただろう。
「も…もう勘弁してくださいよぉ〜」

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