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忍者の隠れ里
官能リレー小説 - 時代物

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忍者の隠れ里 13

その言葉に亮鬼は騙されていた事を悟った。
「テメェ…よくも騙しやがったな!!何だってそんな嘘を吐いてまで俺達を葬り去ろうとしたんだ!?」
「何故かってぇ?ケケケ…当たり前じゃねえか。俺様より優秀そうな奴や、将来俺達の敵になりそうな奴は早めにツブしとかねえとなぁ…ケケケ」
「最低な野郎だな!!ハッ!まさか楓の足の傷も…!?」
楓は先程から泣きそうな顔で黙っている。
狼鬼はニタァ〜と笑いながら言った。
「あぁ、俺様が斬ったのさ…ケケケ。それぐらいしねえと嘘に信憑性が出ねえだろう?」
「この下衆野郎!!自分の妻を傷付けてまで仲間を陥れてえのか!?」
「ありがとうよ。最高の褒め言葉だ。それからな、俺様にとっちゃあテメェらなんざ仲間じゃねえんだよ。今までも俺様の邪魔になる奴らは徹底的に排除して来たんだ。じゃあお前らも死んでもらおうかぁ!?」
そう言うと狼鬼は懐から八本のくないを取り出した。
一人一本で仕留める気なのだろう。
こちらは全員が腕に一人ないし二人の女を抱えている状態だ。
とてもかわしきれない。
亮鬼は今度こそ死を覚悟した。
しかし次の瞬間…
「も…もうやめてぇ…っ!!」
「うわっ!?か…楓ぇ!!貴様、何をする!?」
何と、楓が狼鬼に体当たりして突き飛ばしたのだ。
「み…皆さん!に…逃げてください…!!」
「ふざけるなぁ!!奴隷である貴様が主人である俺様に逆らって良いと思ってるのかぁ!?」
狼鬼は怒り狂って楓にくないを投げ付けようとした。

「そこまでじゃ!!!」
その時、辺りの空気を震わせるような一喝が響き渡った。
見るとそこには長老の辰爺さんと村の大人達の姿があった。
「狼鬼!ついに本性を表しおったな!?捕らえよ!!」
辰爺さんの命令を受けた忍者達が一斉に狼鬼を捕らえにかかった。
「うわあぁ〜っ!?は…離せよぉ〜っ!!」
情け無い程あっさりと捕まる狼鬼。
権謀術数には長けた彼であったが、体術の方は大した事はなかったようだ。
何より相手は数々の死線を潜り抜けて来た手練れの忍者…修行中の子供が適う訳が無い。
辰爺さんは言った。
「近頃、鍛練の最中に命を落とす見習いが増えておったのじゃが…狼鬼よ、貴様が事故に見せかけて殺めていたのであろう!」
「クソォ!!それが何だって言うんだぁ!?俺様の前に立ちはだかる者は例え同輩であろうと排除するぅ!!それが俺様の信条だぁ!!」
「たわけ者っ!!」
辰爺さんは持っていた杖で狼鬼の頭をおもいっきりブン殴った。
「ふぎゃっ!!?」
「狼鬼よ!!お主には種断ちすら生ぬるい!!いずれ追って沙汰を申し渡すが、考え得る限りの責め苦が待っていると心せよ!!」
「えぇっ!?う…うああぁぁ〜〜!!辰爺さん…いえ、辰爺様ぁ〜!!お…お慈悲をぉ〜!!」
狼鬼は力無くその場にへたり込み、泣き喚きながら引きずらて行った。

辰爺さんは楓の方を振り返って言った。
「楓よ。お主も狼鬼に加担し、仲間を死に追いやった責任を取ってもらわねばならぬ。それが例えお主の意思では無かったにせよじゃ」
「は…はい…心得ております…」
「うむ、お主は物分かりの良い素直な娘じゃ。狼鬼などの妻となっておらなんだら、良きくノ一となっておったかも知れぬのう…。楓!お主には孕み腹となってもらう!残りの人生を次代を担う子を産む事に捧げよ!」
「はい…長老様」
楓は辰爺さんに深々と頭を下げた。
「ちょ…ちょっと待ってくれよ辰爺さん!!」
亮鬼は慌てて辰爺さんの前に飛び出した。
「楓は俺達を助けてくれたんだ!!みんなも見てたんだろう!?こいつは悪い奴じゃねえ!!きっと狼鬼の野郎に脅されて無理矢理従わされてただけなんだ…!!」
必死に楓の弁護をする亮鬼の前に、当の楓が歩み出て言った。
「あの…ありがとうございます…亮鬼さん…。でも…私は確かに罪を犯しました…。これはどうする事も出来ません…。私は…残りの一生をかけて…自分の犯した罪を償おうと思います…」
「楓…そんな……チクショ〜ッ!!何か納得いかねえ!!そんなの絶対おかしいじゃねえか!!」
「亮鬼よ…」
不条理に地団駄を踏む亮鬼に辰爺さんは言った。
「さっきから思っておったのじゃが、お主はとんでもない格好をしておるのう…そんなんでいくら凄んでみた所で説得力も何もあったもんではないぞ…」

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