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戦争という狂気の中で
官能リレー小説 - ショタ

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戦争という狂気の中で 1

今私のいるこの国は戦争中である。
国と国とが利権をめぐって争い国民は疲弊していっている。
人とはこうまでして争うものなのだろうか?
人は妄執に取りつかれると倫理も禁忌もないと憚らず叫び、私を罵倒する。
研究の成果を差し出せと。
国家に協力しない自分は売国奴だと言われ昨日も家に石が投げられ窓が割れた。
確かにこれを使えばとてつもない威力の出る兵器が生まれるだろう。
だが今の政府に研究内容が渡れば勝利のためにと犠牲になるのは・・・




私の名前はワイズマン。
ジャーナリストの端くれである。
戦争が終わり、今私は今回の戦争で大量の死者を生み出した兵器を考案した人物の生家とされる場所に来ていた。
しかし、そこには彼が書いたと思われる小さな日記しか残されてはいなかった。
この世界には魔法がある。

そして今回の戦争において使用された兵器「聖晶(せいしょう)」
それについて私は調べていた。

発見した日記を見るに彼は自分の研究で大量殺戮の兵器が出来ると判明していたが同時に時の政府にそれが渡った時の事を考えて反対していたようだ。
手がかりの無い私はまず彼の事を知る事から始めた。


ノア=キールズ それが彼の名前である。
彼は12歳まで孤児院で生活していて両親は記録に残ってはいない。
その孤児院を出た後は全寮制の軍事学校に入っている。
しかし彼が戦争の前線に立たず、また今回の兵器の考案者となっているのを鑑みるに後方支援の研究職に就いていたと思われる。

そして彼は成人し正式に軍属になっても足しげく孤児院に足を運んでいたことが日記に示されている。

しかしここで私の頭にふとしたひらめきが下りてきた。
「待てよ、この孤児院は確か・・・」

私はガサゴソと戦時中に出された記事を探し出し改めて読んでいた。
そして時の政権のトップが戦時中の激昂として国中を回るという一種のパフォーマンスの中にあの孤児院が含まれていた。

「彼の日記にあった勝利のための犠牲・・・おそらくだがこの孤児院だろう」

政府のトップが未来ある子供たちを人質に取り大量殺戮兵器を作ることを強要する。
胸糞悪いが戦争中の極限状態。過去の歴史を紐解いてもこのような政治の暴走話は出てくる。
そう割り切って私はさらに踏み込んでいった。

キールズはある少年とよく関わっていた。アルダーという名の金髪の可愛らしい少年だ。
アルダーもキールズに対しては悪い印象を持っているわけではなく、兄弟のように見えるほどだった。

ある日キールズはアルダーを連れて小屋に入った。様々な研究機材や資料が置かれている所だ。
「僕に見せたいものって何?」
「この施設と私の研究の集大成だ」
そう言ってキールズは資料をアルダーに渡していた。
その資料には彼の研究の成果が記されていた。そして彼がある兵器の開発に成功したことを記載されていた。
「すごい…これがあればこの国は救われる!」
アルダーは歓喜しそれを胸に抱きしめていた。だが、キールズは浮かない顔をしていた。
「どうしたの?キールズ」
「…アルダー、君はこれをどう思う?」
「どうって…これでこの国が救われるならいいじゃないか…?」
「私はこれを絶対に使ってはいけないと思うんだ」
そう言ってキールズはアルダーの肩に手を置いた。
そして神妙な面持ちで口を開いた。

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