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若様と年上妻達
官能リレー小説 - ショタ

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若様と年上妻達 1

エーベラント帝国は二十六の州と八つの公国で成り立つ国家であり、有数の大国であった。
その頂点に君臨する皇帝は、26代450年に渡ってエーベラント家が世襲していた。
第26代皇帝アルザーベル7世、その治世は30年と安定した政治を行ってきた。
現皇帝になって以来、他国との大きな戦争は無く、国は発展しまさに帝国は黄金時代を謳歌していた。

その日、執務を行っていた皇帝の元に長年仕える老臣がやってきていた。

「陛下・・・アルフリード皇子の事ですが・・・」
「アルフリード?・・・確か17番目の子であったか?」

名前を聞いて一瞬浮かばなかった皇帝が首を傾げながら答えると、老臣は更に深く頭を垂れる。

「いえ、19番目の皇子でございます陛下」

「そうであったか・・・うん、そうであるな・・・で、その19皇子がどうした?」

側室は100人単位、子供だけで50人はいた皇帝にとって、下の方の子供など覚えてられないレベルだ。
上の方の子供は既に成人し、皇太子や第7皇子ぐらいまでは子供がいるし、ひ孫も数年すればできるであろう。

「アルフリード皇子も10歳になられました・・・そろそろ御養子先を決められては?」
「左様か・・・もうそんな歳になるか・・・」

皇子の顔とその母親が誰であったかを記憶から探す皇帝。
しかし残念ながら多すぎて思い浮かばない。
老臣もそれは心得ているのか特に何も言わない。

皇帝は有能でそれ故長い治世は安定している。
有能であると同時に性豪でもあることが、ここ最近の問題にも繋がってきている。
つまり、子供が多すぎるので皇族減らし・・・
皇帝の死後、後継者争いの火種を少しでも減らすためにも嫁げる女子だけで無く男子も他家へ養子に出す事にしたのだ。

その当時成人していた第7皇子から後の男子は、10歳になった時点で男子後継者のいない貴族の家に養子にやる。
第8皇子以降の第18皇子まではそうやってきていた。
そんな取り決めだったが、そこからこのアルフリードが数年離れたから、皇帝もすっかり忘れていたのである。

「では、手頃な養子先は抑えておるにだな?」
「はっ、陛下」

この長年使えた老臣は侍従長を務めただけあって、皇帝のプライベートを任せれる上に抜かりは無い。
皇帝にそう言われて、養子先のリストを懐から取り出し渡す。

「ふむ・・・この伯爵家が治める土地はどのようだ?」
「はっ、都からは遠いですが風光明媚な土地柄でございます」

リストに目をやりながら老臣の言葉を聞いた皇帝は、リストを老臣に返して言う。

「ならばここでよい、そう取り計らえ」
「畏まりました、陛下」

皇帝は特に調べもしてない。
ただ風光明媚で選んだだけだが、19番目になるとそんなものである。
部下に任せっきりにしないだけマシというものだ。

こうしてアルフリード皇子は辺境のサンジェール伯爵家に養子に行くことになったのだが、あまり深く考えなかった皇帝によって少しだけ行き違いができることになったのだ。


そのサンジェール伯爵家・・・
サンジェール女伯、ティアーナは皇帝からの命令書を手にしていた。
彼女は34歳、2人の娘の母である。
養子に迎えた夫に先立たれ、伯爵家の存続の為に都に彼女の再婚か娘の婿養子を申請してたのだが、その許可がようやく出たのである。

「お母様、どうなりました?」
「ええ、私の再婚に皇帝陛下のお許しが出たわ」

しっかりものの娘マリアーナは17歳。
彼女の長女で、この国では結婚適齢期の娘だ。
その長女に婿養子を迎える決定かと思っていたが、自分の再婚と言う許可に少しだけ驚いていた。
この時は少し驚くだけだった・・・

だが、その再婚相手が屋敷にやってきた時、二人は驚くだけで済まなかった。
使者が書類を読み上げる時も驚きと戸惑いでその相手を見ていたのである。

「以上が皇帝陛下のご命令である、謹んで受けられよ」
「はい、御使者殿・・・申し訳ありませんが、それは娘の相手ではございませんね?」

ティアーナの反応は当然と言えば当然だったが、実直そうな使者は表情も変えず言う。

「皇帝陛下は、アルフリード皇子のお相手として『ティアーナ・ディ・サンジェール』と記されておる・・・陛下のご命令は絶対でございます」

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