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突然現れた親戚が変態だった件
官能リレー小説 - ショタ

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突然現れた親戚が変態だった件 1

佐藤 海人(さとう かいと)は小学5年生で天涯孤独になった。
母一人子一人で6畳一間のアパート暮らし。
友達の家みたいに自分の部屋などなくもちろん勉強机などなかった。

母の死因は急性心筋梗塞だった。俺が中学に上がることを考えて仕事を増やしていたらしい。
けど、そのせいで体壊して死んじゃうなんて、バカだろ…母さん。

アパートの大家さんが母さんのお葬式やらなんやら手続きの大部分を処理してくれて今はポツンと家で横になっていた。
家の中が広く感じる。
もちろん錯覚だとわかってる。まだ母さんの服が入ったタンスや母さんの布団、母さんの・・・。

「これから、どうなるんだろ。俺」
たよる親戚もいない。先の見えない恐怖に海人は襲われていた。

ぐぅ〜

だけど腹はどんな時でも減る。
「ごはん、つくらないと・・・」
仕事で夜まで母親が帰ってこなかったので海人は自分で料理ができるようになっていた。
ご飯は研いで炊飯器のスイッチを押せば炊けるし、大好きな唐揚げだって今では揚げずにフライパンでできる物が売られているのだ。便利な世の中である。
自分で作ったご飯で腹を満たして風呂に入って布団の入る。
いつも通りのことだった。けどそのいつも通りに母親の姿はない。
それがいちいち母が死んだのだということを突きつけているようで嫌だった。

明日からはまた学校が始まる。
葬式とかで1週間ぶりである。
翌日登校すると海人は話題の的だった。

「大丈夫か?めしとかどうしてるんだ?」
「これから海人君どうするの?転校とかしちゃうのかな?」
「なんかあったら言えよ!あんまり力にはなれないかもしれないけど相談ぐらいは聞けるからな!」

そんな感じでクラスの子や友達から温かい声をもらい家に帰ってきた。
するとアパートの前に大家さんと知らない男性が立っていた。

「お帰り海人君、君にお客さんが来ているよ」
そう言って大家さんは隣にいる男性を紹介してくれた。
「初めまして、私は高城 満(たかじょう みつる)君の叔父にあたります」
それが俺と変態(叔父)との出会いであった。
「つまり肉親ですか?」
「そうだよ……姉の死はさっき聞いたから急いで駈けつけて来たんだ」
「……」
なるほど海外出張だったらしく機内持ち込み可のトランクケースにはタグとシールが幾重にも張られている。
「佐藤は母親の旧姓でね……とりあえず一緒に暮らそう!」
「え?」
「両親は納得してないが姉さんの子供まで振り回すつもりなら……こっちにも考えがある」
「満様、落ち着いてください……全く雅様の死を聞いた途端に全部稔様に振るのは」
如何にも有能で完璧な若手社員の男の言葉に叔父はブスッとなる。雅って言うのは母親の名前だ。
「アイツに会社を任す腹だろ、それに俺がいくら頑張ってもな……」
「確かに雅様に関してのフォローは私らに責任があります」
「あのぉ?」
「失礼、私はこちらの満様の専属秘書の朱島 海(あけしま かい)と申します。高城家は……その」
「不倫系昼ドラてんこ盛りの騒動があってな……まっ、今は落ち着いているがね」
この時俺はつくづく後悔した。そりゃあ母親も出て行くわ……うん。
最もその時は微塵も感じなかった……叔父の真剣な表情にある意味では求めていた父性を得たかったかもしれない。
「海!」
「はい既に引っ越しは手配済みです、学校の転校に関しては本人の意思を尊重したいので止めてます」
「そっ、そうなのか?」
「僭越ながら学校の様子は問題無いと判断してます、今の所は」
今の所は……この後問題起きそうだと俺はピンと来た。
「安心してください、少し問題がありますが良い人ですよ」
「……」
どの道小学生をほっておく事は不可能だろう。選択肢もそれしかない。


俺は唖然とした。絵にかいた様なお屋敷なのだ。
「驚いたと思いますが雅様はここで育ちました」
叔父は凄い剣幕で会社に出かけたようだ。
「駆け落ちしたって言う事?」
「私は詳細は知りませんが先代なら知っています、ですが・……」
口止めされているのだろう。海は表情を曇らせた。
「いいよ、お母さんだって一度も自分の親の事を話した事も無いから」
「雅様が……」
俺はそう言うと屋敷へと歩んでいく。玄関に如何にも執事と言う感じの老人が立っていた。
「……はじめまして、大旦那様の執事を務めてます六家 康介です」
「あっ……」
「海人様ですね……貴方の事は密かに雅様と共に見守ってました。この度は……」
「いいよ、お母さんは分かっていたんだ」
「「??」」
倒れた現場が仕事先で事件性があったので司法解剖したお医者さんが丁寧に説明し健康診断でも再診判断が毎年の様に出ていた事も初めて知った。
「私らも何度か手を差し伸べようとしてましたが……雅様の決意は固く」
するとお腹が鳴った。
「直ぐに夕食を……」

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