ショタなペット【第二部】 23
「あ…あの…優花さんこれ…」
和己は恐る恐る優花の分のお土産を手渡す。
「え?ああ、ありがとう。」
受け取る優花、早速明けてみる。クッキーやチョコなどのお菓子、キーホルダーなどの小物が入っている。
「ねえ。和己君?」
「はっはい!」
「今度私ともデートしてくれるわよね?」
優花は脅し半分に言う。
「ひぁっ…はい!もちろん!!」
和己はピクリと震えながら応えた。
「じゃあ今度の土曜日は明けておくこと!良いわね。」
「はい。」
和己が返事をしたのを見ると踵を返し、
「ママ、今日はお夕飯私のお部屋に持ってきてくれる?」
「ええ。良いわよ。」
「あの…私もご一緒して良いかしら?」
そういったのは美雪である。
「ええ、良いですよ。」
「良かった。ちょっと優花ちゃんとゆっくりお話したかったの。」
優花は部屋に戻っていった。風花と顔を合わせたくないようだ。
夕食は香奈、風花、和己はリビングで、美雪と優花は優花の部屋で食べることになった。
「だから私は和己君を誘ってデートしただけだって……」
「あのね、和己君が嫌って言えるわけないでしょ?」
「それはそうだけど……」
香奈は風花の配慮が足りない行動を咎める。
「優花がどんな思いだったか分るでしょ?それに私達に何も言わないから私達だって心配したのよ。」
「メールしたんだから良いじゃない。」
香奈と優花の口論を見ていた和己は
「ご馳走様……」
さっさと夕食を切り上げてしまった。
風花との遊園地は楽しかったが、優花を傷つけた事が申し訳ない和己だった。
因みに風花と香奈は和己が出たのを口論で気付かなかった。
「あっ、優花さん。」
「和己君、一緒にお風呂入ろうね。」
部屋に戻ると優花がいた。
そして、和己を風呂に誘う。
「はい。」
「じゃあ、行くわよ。」
そう言うと、優花は和己を連れて行く。
「土曜日は動物園に行こうか。」
湯船に浸かりながら優花が切り出す。
「はい?」
「動物園よ。でも私はお姉ちゃんみたいに車の免許がないの。だから電車かウチのリムジンよ。」
「ええ。それは…」
和己は「構いません」と言おうとしたが、優花はその言葉を遮り
「前乗りしようか。」
と言った。
「と言いますと?」
「金曜日に私が学校から帰ってきたら、その夕方に出かけてホテルに泊まっちゃうの。それで朝から動物園を回れば良いでしょ?」
優花は一人で話を決めてしまった。