ショタなペット【第二部】 17
そして、朝食が終り優花が学校へ行った直後、和己は寛いでいた。
「和己くん。」
「風花さん、なんです?」
突然風花がやってきた。
「今日は私とデ―トしてくれない。」
「えっでも、今日大学じゃ?」
「今日は講義ないのよ。だから、付き合ってね。」
「えっ!!風花さん!!」
デ―トしろと頼む風花に和己は大学いくんじゃと尋ねるが、強引に連れ出されて風花の車にのせられた。
「私のロードスター、乗り心地良いでしょ?」
「はい……」
和己はまだ風花に恐怖心があり、緊張した面持ちで助手席に座っている。
「そんなに硬くならないの。大丈夫、事故を起こすほど運転は下手じゃないわ。」
風花は和己が自分の運転に不安を感じていると思い込んでいる。そして
「あ、ちょっとガソリン入れるわね。」
とハイオクを給油する。そしてハイウェイに向かう。
「さ、飛ばすわよ。」
ロードスターはETCレーンをくぐりハイウェイに入る。
「風花さん、何処に行くんですか?」
「遊園地よ。今日はすいてると思うから。」
風花は笑顔で言う。
(綺麗だな……)
和己は恐怖を忘れ、風花の笑顔に見惚れてしまう。
「ん?如何したの?」
和己の視線に気付いた風花が問う。
「あ、いえ…何でもないです……」
「?そう……」
そう言いながら風花はハイウェイラジオをつける。
『ポポポポ〜ン、午前8時15分現在の交通情報をお知らせします。およそ25km先の……』
「げ……渋滞だ……」
ラジオより先に電光掲示板を見た風花が呟いた。
暫くすると前方の車が次々にハザードをつける。渋滞後方での追突を避けるためだ。
「混んでるわね……」
風花は厳しい表情で言う。
「そ、そうですね……」
和己は混んでいること自体よりも、それによって風花と二人きりになることが気がかりだった。ふと見えてきた電光掲示板には
『この先渋滞18km』
と表示されていた。
「ねえ、和己君?」
「はい。」
「ちょっとお話しても良いかな?」
渋滞で時間を持て余しそうな状況下、風花は和己に話しかけた。
車の列はゆっくり動いているが、この調子では退屈な時間がかなり続く事は避けられそうにない。