いいなり女子大生 2
次の日。
男は会社に行くと、探し物をしていた。
「…あった…多分こいつだ。」
男は履歴書を見ていた。
りみの彼氏の履歴書であった。
りみの彼氏が最後の望みとしていた会社の面接担当がこの男であったのだ。
(…ふーんwなるほどね…wイケメンな彼氏がいるんだねーw…よしよし…これはおもしろい…www)
男は仕事が終わると足早にスーパーに向かった。
「いらっしゃいませー!」
(いたいたw昨日はあの彼氏とやったのかな?w…よーしw)
「こんばんは。」
「あ…い、いらっしゃいませ…。(またこの人か…。)」
「昨日は休みだったねw彼氏とお出かけ?w」
「…あ、あのぉ…こういうの…や、やめてもらえませんか?」
「昨日たまたま見かけたんだよw君が彼氏といるトコw」
「…そ、そうですか…あの…これ以上しつこくされると…お店に相談させてもらいますよ…。」
「君の彼氏、来週面接じゃないかい?w」
「…え?(なんで知ってるの…?)」
「そこの会社で働いてるんだよ、俺wちなみに面接担当だからw」
りみの顔色が変わっていく。
「…そ、そうだったんですか…失礼しました…ぜひ、宜しくお願いします…。(嘘…最悪…なんでよりによってこのおじさんが…。)」
「ふふふw俺の判断で彼氏の合否が決まるからねw…それをふまえて相談なんだけど…バイト終わったら時間ある?w」
りみは一瞬固まってしまったが、彼氏の為に自分が出来ることはなんでもやりたいという気持ちが勝る。
「…わ、わかりました…。」
りみは下を向いて小さな声で返事をした。
「ふふふw今まで全然相手にしてくれなかったのにwじゃあ、バイト終わったらこの住所の所にw」
男は紙を渡してその場を後にした。
数時間後。
バイトが終わり、りみは男に渡された紙に書かれた場所にやって来た。
「ここかな…大丈夫かな…。」
バイト先から徒歩数分の場所にあるマンション。
りみは指定された部屋に向かう。
「来たかwどうぞ、入ってw」
男はオートロックを解除すると、りみに部屋へ入るよう伝えた。
「いらっしゃいwとりあえずその辺座って。」
「…いえ…大丈夫です…彼氏がもうじきバイト終わるので…それまでには帰らないと…。」
「ふーんw他の男の家に上がり込んでるってバレたくないもんねw」
「…ま、まぁ…。(ヤダな…早く帰りたい…。)」
「じゃあ、あまり時間もないみたいだし本題に入ろうかwとりあえず、事情は理解できたかな?w」
「…はい…。」
「彼氏の将来の為にも、君はおじさんのご機嫌を取らないといけないんだwわかるね?w」
「…は、はい…私に出来る事なら…。」
「じゃあ、まずは自己紹介でもしてもらおうか。」
「…は、はい…市川りみ…大学3年です…。」
「りみちゃんね。じゃあ、りみちゃん。いつもバイト中おじさんに素っ気ない態度を取ってた事を謝ってもらおうかw」
「(なんであたしが謝らなきゃいけないの…。)はい…えっと…申し訳ありませんでした…。」
りみは釈然としない態度で謝罪をした。
「ふーん。生意気な顔だな。面接の判断材料にさせてもらうよw」
りみの顔色が変わっていく。
「(まずい…納得いかないけど…今だけはこのおじさんの機嫌を損ねないようにしなきゃ…。)あの…す、すいませんでした!…生意気な態度を取ってしまい…も、申し訳ありませんでした…!バイト中も…失礼な態度を取ってしまい…申し訳ありませんでした…!」
りみは男に対して深々と頭を下げた。
「うーん。まだ誠意が足りないなー…土下座でもしてみようか?w」
「…ど、土下座って…。(なんでそこまでしなきゃいけないのよ…!)」
「嫌なら別にやらなくていいよ。話はこれで終わり。帰っていいよ。」
(…くぅ!…あたしがここで我慢しなきゃ…彼の将来が…。)
りみはゆっくりと床に膝をついた。
「ん?いいよ、やらなくて。もう話は終わったから帰りなさい。」
「い、いえ…!すいませんでした…!やらせて…ください…。」
「何を?やりたい事があるならはっきり言いなさい。」
「…ど、土下座を…させてください…。」
りみは頭を床につけ、生まれて初めての土下座をした。
「…失礼な態度を取ってしまい…大変申し訳ありませんでした…!話を続けさせてください…お願いします…!(これでいいんでしょ…!早く終わって…!)」
「ふふふw若い女の子が土下座までしてwみっともないなw」
(あんたがやれって言ったんじゃない…!)
りみは床を見つめながら悔しそうに下唇を噛んだ。