ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 984
「んんっ、ん、は、あっ…」
唇を離すと、香澄が色っぽい瞳を潤ませて僕を見つめる。
…そんな風に見つめられると弱い
「匠さん…」
「香澄、いいのか?」
「大丈夫なときは、匠さんのがいっぱいほしいです…ダメですか?」
よかった…
その言葉が香澄から聞けて胸を撫で下ろす。
何やかんや言っていても、僕はこの先を期待していたからね。
「もちろんいいけど、昨日みたいに満足させて上げられるかは…ちょっと分からないぜ…」
自分の身体は自分が一番分かっていた。
昨日の今日ともなると、アラサーの僕は二十代前半の時みたいにはいかないんだよね;…
「匠さんがお相手なら大丈夫ですよ」
香澄は満面の笑みを浮かべて言う。
…ホントにいい子過ぎて、僕にはもったいないくらいの嫁だよ。
「このままで」
「じゃあ、いいことしてあげるよ」
香澄をお姫様抱っこして、寝室に向かう。
「ムフフ…“いいこと”なんて…楽しみぃですぅ〜」
僕の腕の中でマンガチックな声色を上げる香澄…
「あっ;…う、うん…」
僕にとってはこの“お姫様抱っこ”がいいことのつもりだったんで、ちょっと焦ってしまう;…
ベッドにそっと香澄の身体を寝かせる。
そのあとで、僕は香澄に覆いかぶさるようベッドに乗り、香澄の唇を奪う。
「んんっ、んむぅっ…」
香澄は僕の背中に手をまわし、それに一生懸命応え、香澄からも舌を差し込みより深いキスを求める。
「ふ、はぁあ……た、匠、さぁん」
「香澄」
そっと着ている服をたくし上げる。