ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 949
「あっ、式とか披露宴はするんですか?…」
やればホテルの大広間での盛大なものになるんだろうけど…
「披露宴は余り考えて無いのよ…式の後に匠さんや香澄さん…近しい身内の人たちと軽くお食事が出来ればいいと思っているの…」
うわぁ。
花咲夢乃と本当に近しい身内になるってことなんだなぁ〜♪
その言葉を聞くだけで胸が高鳴る。
憧れの人が一緒に暮らしている日々がすぐそこに近づいているなんて。この数ヶ月前までは想像もしてなかったことだ。
「これからどうされます?」
「和彦さんがマッサージから戻ってきたら晩酌ですかねぇ」
和彦さんは澪さんの所に行ってるのか…
それじゃあ暫くは戻っては来ないかもしれないよね ;…
「吉乃さんはアルコールは強いんですか?…」
「まあぁ嗜む程度ですけど…、そうだ匠さんもご一緒しません?…」
「うーん…いいんですかね…」
「匠さんでしたら和彦さんだって喜ぶんじゃないかしら。娘婿みたいなものですもの」
…お願い、と言わんばかりに両手合わせて由乃さんが言う。
「僕、そんなにお酒強くないので…」
「あらぁそんなになるまで飲むつもりぃ?…」
吉乃さんはクスッと笑う…
まあ確かに、和彦さんと吉乃さんを前に記憶を無くすまで飲むこともないか…
「でもいいんですか?…せっかくの2人だけの時間なのに僕なんかがお邪魔して?…」