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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 862

「まあ、一緒に暮らすだろう人間のことは知っておかないと思ってな」
「は、はあ…」
和彦さんが思いのほか本気だとは思わなかった。
僕のことを教えるなんて…ファンだったから嬉しいの反面、心配なことだっていくつもあるよね…

「その日を楽しみにしたらいいさ。おっと、そろそろ時間だ」

「気をつけて行ってらしてください、それでお帰りは?…」
「なに、上手くいけば今夜中には帰れるさ…異国とはいえ北海道へ行くよりも近いからな…」
確かに…まあそれでも夜中にはなっちゃうんだろうけどな…

「それではお宅でお帰りを待っていますね…」
「ああそれは帰って来るのが楽しみだ…、おっと秘書に来て貰わなくちゃいけなかったな…君も知ってる黒岩くんだ…」
えっ…?黒岩って…
和彦さんに呼ばれて部屋に入って来たのは、何と杏さんだった…

上下黒のパンツスーツでビシッと決めた杏さん。
そうだ、最近は和彦さんの秘書を務めていると聞いていたが…

「じゃああとは任せていいかな」
「はい、気をつけて行ってらっしゃいませ」
杏さんが一礼するのを見て、僕も椅子から立ち上がり和彦さんを見送る。

「私たちも出ましょうか。お嬢様も心待ちにしていますし」

エントランスの車寄せに既に車は待っていた。
あ、もう杏さんが運転する訳じゃないのか…
初めて青山家を訪れた時に、杏さんが運転手として迎えに来てくれたのが懐かしい…

黒塗りの車に乗り込む時に、パタパタと頭上をヘリが飛んでいく。
「あれで上海まで?…」
皮張りのシートに身を沈め、杏さんの顔を見る。

「いえ、ヘリでは中部国際空港までですは、後は自家用ジェットで…」

自家用ジェット…
さすが和彦さん、そういうものを日常普通に使うのだろう。
香澄の口からも出てくるのはある意味納得だ。

「和彦さん、なかなか家でくつろぐことも出来ないでしょ」
「忙しいと月の半分は出張ですからね」

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