ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 697
「学園長の推薦だったりするんだろ?…」
「まああの人にはいろいろと世話になったからな…」
「それってお袋とのことで?…」
「ああ…私立だからクビになってもおかしくは無い状況だったのに、あの人が生徒や父兄を説得してくれたんだ…」
あの時は親父も新人教師、もしその人の説得がなかったら親父とお袋が結ばれることもなく、僕らもこうやっていられるかわからないだろう。
「あの人が学園長になって、その話をもらってな…当時を考えたら信じられないよ…」
「当時はあの人、教頭だったんですよね…、」
「ああ、歳は若いのに、優秀な人だからな…」
「それに綺麗な人ですよね…僕があの学校に通っている当時、男子生徒の憧れの的でした。」
「彼女は歳を取った今でも魅力的な人だよ…、花木くんの爽やかさは彼女譲りだな…」
「えっ?、花木って…花木恭介のこと?…」
「ああ…彼は学園長の甥っ子だよ…」
ああ…つまり、花木恭介が親父の同僚になったのには、親戚筋からのコネがあったのか…
…梓もそうするとあまり生活に苦労することはないんじゃないかな…サポートはしっかりしているだろうし。
「ウチと彼のところには深い縁があるんだな」
「そうみたいだな…」
僕が知らずに佐織さんとヤッちゃったのだって、まあ縁と言ったら縁だもんね;…
「そういえば栞が言っていたけど、住んでいるのも近所なんだって?…」
「ああ、花木さんと付き合いだしたのは最近なんだが、昔から挨拶を交わすぐらいの仲ではあったんだ…」
「付き合い出したって…その花木恭介のご両親とは親しくしているの?…」