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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 656

年の差だけで考えたら、自分の親に恋するようなものだ。
でも、弥生さんは違った。年の差なんて気にならない、愛してあげたい人だった。
それは今でも変わらない。

「私は、匠くんともっと早くに知り合えれば…なんて考えたことが何度もあったよ。それを、匠くんはいつも励ましてくれて。ホントに嬉しかった」
「あのころは、弥生さんと本気で付き合ってましたから…」

「ええ…人生なんて分からないものね…あの時違う選択をしていたら、匠くんは香澄ちゃんと結婚することも無かっただろうし、椿も産まれてはいなかった…」
弥生さんはしみじみとした口調で言う。

「人生において、何がよくて何が悪いなんてことは最後の時にならなくちゃ分からないのかもしれないな…」
親父もそれに続きゆっくりと言った…

僕と弥生さんがあの時を思い出しているように、親父も若かりし時の自分とその女性のことを懐かしんでいるのだろう…

僕も親父と弥生さんに勧められるまま一杯飲ませてもらった。
「もう遅いから、そろそろ寝るよ」
「おう」
「おやすみ、匠くん」
「2人とも明日に響かない程度にね」

リビングを後にして、2階に上がり、自分の部屋に戻る。
啓くんと椿ちゃんは気持ち良さそうに眠っている。

啓くんの横に潜り込み、まどろみの中で明日のことを弥生さんに聞き忘れてしまったことを後悔する…

和彦さんに会いに鈴田美恵子さんが青山家に来るっていうことは、和彦さんに全てを告白するってことだろうか?…
そう思うと、僕もその場に立ち合いたいと思ってしまう…

美恵子さんは巧とそっくりの僕を見て、どんな顔をするんだろうか?…

美恵子さんに会ってみたいという気持ちもあるし、会わないほうがいいとも思う。
今の自分は美恵子さんの会社と交渉の席に着いているわけだから、それに余計な影響を与えるようなことはしたくない。
そうなるとゆかりさんに申し訳ない。

そんなことを考えているうちに僕もゆっくりと眠りに落ちていく。
すべては明日、わかるのだろうか…

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