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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 638

「ああ…そうしようかな…」
ソファーに横になって寝転ぶ。
昨日から相当体力を使ったしな…休みの日の方が疲れるというのもどうかと思うけど。

「あまり考え過ぎないでくださいね」
「ああ…」
香澄が隣に座って僕の頭を撫でる。

香澄の膝に頭を載せ、僕はまどろむ…
なんだか日溜まりにいるみたいな、暖かい気持ちになる…

「お父様…素敵ですね…」
「えっ…親父が?」
見上げる香澄の顔は優しかった。

「ええ…だってお母様のことを考え、大きな愛で包んでいるんですよね…」

「ああ…血が繋がっていようがいまいが、尊敬する人なのには変わりないさ…」
「そんな匠さんがお父様になるのだから、この子もきっといい子に育ちますよ」
「そうだといいなぁ」

しばらくまったりと過ごしていると、玄関の方がドタバタと騒がしくなる。
お袋と妹たちが帰ってきたか…

僕は起き上がり顔をピシャと叩いた。
どんなことがあっても、お袋に気付かれる訳にはいかないもんな…

「匠さん、目が腫れていますよぉ…」
香澄の言葉に鏡を見ると、泣いていたことばバレそうなくらいに顔がクシャっていた。

「悪い;…ちょっとシャワー浴びてくるよ…」
僕はお袋たちの騒がしさを背中に、急いで風呂場に駆け込んだ。

脱衣所の扉を閉める。
その前をバタバタという足音とともに駆けていく妹たち。
いつもの賑やかさが戻ってきた…それだけならいいんだけれど。

今の僕は、お袋の顔をまともに見ることができなかった。

服を脱いで風呂場の中へ。
シャワーの蛇口を捻り、思い切りお湯を浴び、一瞬だけは忘れられるようにした…

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