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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 634

「お袋が生んだ子供が亡くなった後、親父はどうしたんだ?」
「ああ…その後すぐ鈴田と話をしたよ、自分一人では2人を育てることが難しいってな。それで、一人は操の子として育てて欲しいって…鈴田も泣きながらそう言ったんだ…」
「それで、匠さんはお父様の元にやってきたのですね…」

「ああ…俺は一生、操とこの子を守っていこうって誓ったんだ…」
親父の目は潤んでいた。
考えてみると、22.3の青年が背負うには、あまりにも大きなことだったんだろうと察する。
流石、親父だよ…

「それで私の母は……」
ずっと黙っていた恋ちゃんがポツんと言った。

香澄が思い出したように僕と視線を合わせる。
親父は不思議そうに首を傾げた。

「君のお母さん?」
「はい…私の母…白鳥優子と言いますが、覚えていらっしゃいますよね?」
「…ああ、君は、優子の娘さんだったのか…!道理でどこか見たことのある雰囲気を…」
親父はそう言って、若干うろたえるようなところを見せる。

「親父はその人と…結婚の約束をしていたんだろ?…」
恋ちゃんがここに来た訳…
ちゃんと聞いて上げたかった…

「ああ、優子には悪いことをしてしまったと今でも思っている…どんなに謝っても償えるものでは無いことも…」

親父は恋ちゃんに向かって土下座する。
それだけ優子さんとの関係は進展していたのだろう。

「私は、お父様のことは何も恨んでなどはいませんから…今ここで当時のお話が聞けたことが何より嬉しかったです…」
恋ちゃんは気丈に微笑んで見せた。

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