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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 625

「香澄…」
いつになく凛とした表情の香澄に驚いてしまう…

「あ、ありがとう…でもその気持ちだけで充分だよ…」
「でも…匠さんにとっては辛い現実が待ち構えているかもしれないんですよ…」

「ああそれも分かっている…だけど香澄が側にいてくれるなら…堪えていけると思うんだ…」

「私もです」
香澄はニッコリと微笑んでくれた。
「匠さんと、子供たちと、ずーっと一緒に…それこそ死ぬまで一緒に、お互いに支えあっていくのが、夫婦、いえ、家族ですから」
「ありがとう、香澄」
何かが込み上げる思いがした。

ただ、さっきの香澄の言葉、一つ気になることがあった。
「今、子供『たち』って言った?」
「はい」
「…どういうことでしょうか」
「お子さんは、できるだけ多くありたいのです」

…根本はお袋に似てるかもしれないな。

「そんじゃお腹の子とまだ僕の金玉に入っている子の為にも、お父さんは頑張らなくちゃいけないよな!」
「ふふ、そうですよぉ、過去のことより未来が大切です。」

不思議と勇気が湧いてくる。
例え良きせぬことを聞かされたとしても、お袋はお袋…僕の大切な母親であることに変わりないと思えてきた。

「素敵ですね2人とも…何だか私も結婚したくなちゃいましたぁ」
あっ恋ちゃん…ずっとそこに居たんですかぁ;…

「恋ちゃんも来たんだね」
「はい、お嬢様の重大な決意に応えまして」
「恋ちゃんがいれば問題ないですよぉ!」

無邪気に微笑む香澄。
この笑顔こそ、僕にとっての宝物であり、ずっとずっと守って行きたいもの。
まだこれからの人生のほうが絶対に長いはず。
今が最大の勇気の見せ所。

…そう思っているうちに、実家の門の前に着いていた。

「おっ…随分早かったじゃないか…」
庭から顔を出したのは親父だった…

横の恋ちゃんが緊張の赴きで親父を見るのが分かった。

「ただいまですぅお父様ぁ〜皆さんはいらっしゃいます?」
香澄がおどけた声を出す。

「こんな早くに帰って来るとは思って無かったら、母さんも皆出掛けてしまったよ…」

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