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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 570

「それで仲違いを?」
「ええ…いくら長年勤めているからと言って所詮雇われの身…父も母も身を引くしかなかったようです。」
「鈴田の家を出たってことだね…」
「はい…それこそ夜逃げのように、隠れるようにして出て行ったみたいです。」

「それから苦労して…、あ、ごめん。蘭ちゃんからご両親が亡くなられていること、聞いたんだ…」

「いいですよ、気にしないで。いずれはわかるか、話す機会もあったでしょうから」
エリカちゃんは気にすることなく、微笑んでいた。

「それでエリカちゃんは、青山家に…」
「ええ、よそ者を分け隔てなく温かく迎え入れてくれる優しい方々に恵まれたと思ってます」
「うん、それは僕も思うよ」

「ここの奥様にはホント感謝しているんです。…」
「奥様?…それってご主人様の間違いじゃないの?…」

「勿論旦那様もそうですけど、私のことを心配してくれた美恵子さんが、ここの奥様に連絡を入れて下さって…」
「えっ?…美恵子さんと涼香さんは知り合いだったの?…」
「はい。それで奥様が旦那様に連絡を入れてくれたんです。」

涼香さんは和彦さんに連絡を取ったのか…

わざわざ海外から…自分の夢を叶えるため離れたといっても、まだ和彦さんへの未練があるのか、それとも…

「涼香さんは、和彦さん…ご主人様と別れ、海外に行ったけど」
「ええ、美恵子さんが、出張先でたまたま出会ったそうで」
「そうなんだ…」

…蘭ちゃんの生い立ちがどうなのかは知らないけど、エリカちゃんと経緯はまったく違うはず…仲良くなれたのはいいことだけど。

あ、そうか…萌ちゃんが以前言ってた涼香さん絡みのメイド候補って、エリカちゃんのことか…

「元々、ここの奥様と美恵子さんは仲がよかったようで、伊藤さんとのこともいろいろ相談に乗っていたそうですよ…」

「ちょっと待て、エリカちゃんは伊藤さんのこと知っているの?…」
“伊藤さん”と呼んでいることに、なんだか違和感を感じちゃうよね…

「あら、だって私…啓くんの元カノですよぉ。」

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