ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 549
「私たちの部屋でよければお貸ししますよ、お嬢様も今夜は桜さんとご一緒でしたよねぇ」
「そうだけど…なんか悪いなぁ」
「いえ、匠さんと一緒なら嬉しいですよ!」
ああ…ソフィアちゃんっていい子だなぁ。
その笑顔が、お姉さんと重なって見えるよ。
Tシャツの裾を引っ張りながら、ソフィアちゃんの部屋まで長い廊下を歩く。
「クスクス…」
後ろを歩くソフィアちゃんが漏す笑い声…
「な、何ぃ?……」
「だって匠さん、前を引っ張り過ぎるから、お尻が丸見えでぇすよぉ。」
「うわぁ;!…」
僕は慌てて尻を両手で覆った;
「クスクス、これって正しく『頭隠して尻隠さず!』ってことですねぇ★」
「よく知ってるねぇ…」
…そういうところ、日本人以上に日本人の心を持っているというか…
「うふふ、今も勉強頑張ってるんですよぉ」
ああ…そういえば大学生でしたっけ。
早く部屋に行きたい僕、この状況を楽しんでいるソフィアちゃん。
そんなにゆっくりしなくていいのに。
「ここですよぉ」
「メイドさんって個室?それともルームメイトがいるの?」
「純さんと一緒でしたので、今は1人なんですよぉ」
ああ純ちゃんと同室だったんだね…
「ベッドも片側は空いてますんでぇ、広々と使えますよぉ」
片側って?…
おい;これってキングサイズのWベッドじゃないのぉ;…
「広いでしょう、匠さんも縮こまる必要はないですよぉ」
ソフィアちゃんは満面の笑みで言う。
…こんなに大きなベッドがこの部屋に、純さんはソフィアちゃんも手の内に入れていたということでしょうね。
そしてソフィアちゃん一人だけでは収まらなかっただろう…
「まあ今夜はここでお過ごしください」
「ああ、ありがとう…」