ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 548
「弥生さんのお家に遊びに行ってたんです。毎晩なんですけどぉねぇ」
ソフィアちゃんは僕のパンツの前で、小さく微笑む。
あの家って、伊藤さんがいた頃もメイドちゃんたちの溜り場だったけど、今もそれを引き継いでいるんだね。
「匠さんこそどうなされたんです?また酔って脱いでしまったとか?」
"また"って言わないでくれよ;
今日はホント事故みたいなもんなんだからさ;…
「うーん…ちょっと違うような、でも近いような…」
「お酒は飲んでましたよね?顔赤いですから」
「…うん」
やっぱり、そこでバレますよね。
「杏さんに誘われて、一緒に飲んでて…」
「杏さんですかぁ、匠さん、運が悪かったですね」
「へぇ?それってどういうこと?」
「多分今日話したことは杏さん…明日になったら何も覚えていませんよぉ」
「そうなの?…」
なんだかそれって、自分のことを言われているような気もしますが;…
「楽しいですけど、酔うと人格変わるみたいで…」
はい;…僕もそれ、よく言われますけど;
まあでも、杏さんがそういうタイプの人だとは意外だったかな…
普段の佇まいからは想像できないからねぇ。
「ズボン、部屋の中に置きっ放しですかぁ」
「部屋がオートロックとは知らずに、つい…」
正直に話すしかない。
「それじゃカギが無いとダメですねぇ…警備員に持って来させましょうかぁ?」
「あ、それはいいよ;」
これ以上こんな姿、誰にも見られたくは無いもんね;…
「でもそんな姿でうろうろしてたら、風邪引いちゃいません?」
いや;そういう問題よりも早く、タオルの一枚でも貸して欲しいんですけどね;…