PiPi's World 投稿小説

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

の最初へ
 539
 541
の最後へ

ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 541

「はい…鈴田宗次郎…スズタコーポレーションの創業者ですよ」
「その先代会長が…?」
「ええ…彼の子供はたった一人、それが美恵子さんですから」
…なるほど、鈴田家はもともと子供に恵まれない環境だったのか。

「そんな凄い人に背中を押されれば、もう社長になるのは決まったようなもんじゃないか…」
ストレートに近いアルコールは喉が焼けるようで、匠は渋い表情でそれに堪えた…

「それが当の本人は、鈴田宗次郎を酷く嫌っているそうなのよ…」
杏はフラスコのような3角形のグラスを、またしても一気に煽った。

「それはまたどうして?…」

「それは…美恵子さんも、詳しくは話していませんので」
「そうですか…」

杏さんがカクテルをまた一杯グラスに注ぐ。

「匠さんはまだ東京にいらしたときですかね…宗次郎氏と美恵子さんとの間の『お家騒動』が、ニュースで話題になって…」

「ああ、あれっ。株主総会で結局は美恵子さんが社長の座に就いたんでしたよね…」
「そう…『世間を騒がせる親子喧嘩』だって、話題になったものね…」

「ってことは…会長さんと美恵子さんも仲が悪いってことですよね…」

「今でも会長さんは、社長に返り咲こうと美恵子さんのスキャンダルを嗅ぎ回っているらしいは…」

酷いというか、醜いというか…
あの親子はマスコミの餌を自分で作っちゃってるよなぁ…

鈴田巧にまた同情してしまう部分が出てくる。

「彼は、どちら側についたんでしたっけ」
「確か美恵子さんの方についたと思いますが…」

SNSでこの小説を紹介

年下の他のリレー小説

こちらから小説を探す