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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 539

杏さんはクスクスと笑いながら言う。

「適当に座ってください。お酒持ってきますねー」
「杏さんもお好きなんですね」
「奥様の相手をして長いので」
そう言ってニコリと微笑む。

杏さんは準備をしに離れる。
その間に、部屋の中を見渡した。

本棚の上に置かれたフォトスタンド…
そこには杏さんと品のある女性が肩を並べて写っていた…

どこかで見たような…?

「これって?…」
アルコールの準備をしてくれている杏さんの背中に向かい、僕は聞いた…

「ああ、気づかれましたか」
背を向けて準備を続けながら、杏さんは言う。

「誰だか匠さんはわかりますか?」
「うーん…どこかで見たような…」
「匠さんもよく知っている方ですよ」

…それでもなかなか名前を思い出せない。
奥歯に何かが挟まっているような、もどかしい感じがする。

「わかりません?」
「はい…」

「鈴田美恵子さんですよ」

うぇ?!そうなの!?…
僕はフォトスタンドを手に取りまじまじとそれを見つめた。

「昼間はあんなこと言いましたけど、実は彼女とは…以前からお付き合いがあるんですよね。」
「そ、そうなんですか?…それじゃどうして…」

「プライベートなことですから、この家の人には知られたく無くてつい…」

「プライベート?」
「あ、ええ…私、匠さんのいない頃、お宅にお邪魔してたことが…前にも言いましたよね」
「ああ、そうだったね」
杏さんは家庭環境が酷くて、辛い経験してきたんだよな。

「そのとき、度々家に来られていたんですよ」

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