ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 515
あら、啓くん、そんなところでも…なんだかかわいそうに…
「啓くんにもやっていたんですね」
「はい、何度も無理を言って申し訳なかったなぁって…それが嫌で出て行ってしまったなんて考えたこともありました」
「いや、まさか…」
「ちょっと寂しかったですね」
彩乃さんはオイルを背中に垂らし、掌でそれを全体へ広げていく。
やっぱり臀部にそれが来ると、身を硬くしてしまう。
「力を抜いてください…慣れないと気持ち悪いかもしれませんけど、次期に気持ちよくなりますからねっ」
気持ちよくって;…別の意味で気持ちよくなりそうで怖いんですけど;
「脚もやりましょうねぇ」
うわぁ;…内股は簡便してくださいよぉ;
彩乃さんの手が、僕の爪先から内股に向けてマッサージされていく。
…気持ちいい…気持ち良過ぎるのか、身体がゾクゾクしてくる。
「す、すごいですね…」
「こうすることで良くなるんですよ〜」
彩乃さんは手の動きを止めることなく言う。
「じゃあまた仰向けになってもらいましょうかぁ」
「あ;いえ…それはちょっと…;」
仰向けなんかになったら、もろに分かっちゃうじゃないですか;
「さあ遠慮なさらずに…全身を解さないと、揉み返しがきたら大変ですから…」
内股に入った手は、僕の膨らみのすれすれの所を行き来する…
「ぁ;いえ…遠慮って訳じゃ無いんですがぁ;…」
こんなところ、彩乃さんに見られたくないんだよなぁ…
「お気に召さなかったですか?」
「イッ、いえ、全然そんなことないです!」
不安そうに首を傾げる彩乃さんに、余計な気持ちを抱かせたくはない。
僕はゆっくりと仰向けになる…
「わぁ、元気になってますねぇ」