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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 475

「匠くんはまだ日が浅いから知らないかな…私たちの業界では誰でも知ってるやり手なのよ」
「そうだったんですか…でも、社長を直接相手にしていたわけではないので…」
「うん、だからこれからが勝負ってことね」
「はい」

夏子さんはひとつ、思い出したように付け加えた。
「そうだ…彼女はウチの社長と同級生だったって聞いたことがあるわね…」

「ウチの社長って青山和彦さんとですか?!…」
「ええ…確か高校が同じ筈よ…」
それってお袋とも同じってことだよな…

「それにしてもかの青山財閥の一人息子と、スズタコーポレーションの一人娘が同じ学び屋にいたなんて、凄いことよね。」

「え、ええ…そうですね…」
思い描いた疑いが、さらに深まる。

和彦さん、お袋、そして鈴田美恵子…
この3人が、パズルのピースのようにひとつにくっついた。

お袋が和彦さんと関係があったのは高校時代。
そのときに、鈴田美恵子とも何かがあった、ということになるのだ。

…家に帰り、夕食を食べ、風呂を済ませ…
僕は以前見た、お袋の高校の卒業アルバムを確かめてみた。

…鈴田美恵子。
名前に変わりは無い筈だった…それでも探すのに一苦労してしまう…

髪をひきつめ、眼鏡を掛けた地味な少女…
それが鈴田美恵子だったのだ…

今とは随分違うんだな…

高校時代の鈴田美恵子は、同じページで満面な笑顔を見せるお袋とは大違いな、目立たない存在だった…

それは、今の姿とは結びつけるのは困難なくらいだ。

別のページには、クラスの集合写真や学校でのイベントで撮影された写真が並んでいる。

ここでも満面の笑みを浮かべるお袋はさすが当時アイドルのような存在だったにふさわしい。
その隣でクールに微笑むのは弥生さんか。
今の姿にも面影が残っているようだ。

その後ろに鈴田美恵子…やはり控えめに、どこか恥ずかしそうにしているようだ。

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