ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 457
「子供かぁ…いつかは欲しいと思うけど、なんかイメージがわかなくて…」
「まあね…僕もまさかとは思った」
香澄とあの日、いつも以上に出たなとは思ったが…
壁の時計を見やる。
始業時間が迫っていた。
「もう時間ですね…相談に乗ってくれてありがとうございます!頑張ってみます!」
「うん…あと美玲ちゃんさ」
「はい?」
「メイク薄いほうが可愛いんじゃないかな、僕はそう思った」
「えへへ…そうですかねぇ〜」
「美玲ちゃんは元がいいんだから、化粧で誤魔化す必要ないさ。」
「ホントでぇすか〜、それじゃ今晩、コレで迫ってみますかねぇ〜」
あ、そっちですかぁ;…
まあ仲直り出来るなら、それはそれでよかったですけどね;…
「あれぇ?こんな朝早くからお茶してんの?」
「はぁ〜い夏子さん〜、匠さんと2人でぇモーニングコーヒーでぇすぅ〜」
だぁかぁらぁー;…誤解を招くようなことは言わないでくださいよぉお;…
「へぇ…この2人で、って珍しいわねぇ」
夏子さん、そんな顔で見ないでください。
「いや、まあ、美玲ちゃんが相談があるって言うもんですから」
「私たちの将来を語り合っていたのですぅ」
おい、それは誤解があるんじゃ
「ダメよ〜、美玲ちゃん。匠くんを誘惑したら…素敵な奥さんとジュニアがいるんだから」
…夏子さん…
完全に2人に遊ばれているよな;…
まあ入社当時から僕はそういうキャラですけどね;…
「あれ?匠くん…もしかしてトランクス穿いてない?…」
ドキッ…そういえば宏のトランクス穿いたままだったんだよね;
「あ、どうして分かったんです;?…」
「そりゃあライン見れば分かるはよ。今日は大切なお客様が見えるんだから、直ぐに穿き変えて来てちょうだいよ。」
夏子さん…こういうことには厳しいんですよね;…
普段と仕事は切り離さなければいけない。
まあ、会社の今後に関わってくることだから仕方ないのかもな。
そう思いながら僕は2人とともに仕事場まで戻る。
…その重要な商談を終えて自分のデスクに戻る。
やはりぴっちりしてるパンツよりはゆとりのあるほうが好きなのだが。
「匠さんご苦労さまでぇす〜」
お茶の入った湯飲みを持って沙織ちゃんがやってきた。