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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う
官能リレー小説 - 年下

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ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 453

「匠さんも、宏みたいに髭を伸ばしてみたらどうです?」
「いや、僕には似合わないよ…」
アイツみたいにワイルドな顔立ちじゃないからねぇ。

「それに、今の職場じゃ清潔感ある男じゃないといけないしね」
「私は、どんな匠さんでも好きですよ」
アンナさんったら、まるで香澄みたいなこと言いますね。

「そんなこと言って…後2、3年もしたら中年オヤジみたいに太るかもしれないよ;…」
僕はパジャマの裾を捲り上げて、腹の肉を詰まんで見せた…

「大丈夫ですよ、匠さんが太ろうがハゲようが、私の気持ちは変わりませんって…」

おいおいハゲるとまでは言ってないよ;…
そういえばハゲって遺伝するって言うけど、和彦さんの家系は大丈夫なんだろうか?…

パジャマを着終えて僕はソファーに腰を下ろす。
アンナさんはデザートでも用意するのかキッチンへと消えていった。

写真立てで満面の笑みを見せる宏は、顎鬚を蓄え以前よりも精悍な顔に見えた。
僕にはああはなれまい。

脳内で親父と和彦さんの顔を並べる。
若い頃は親父も所謂イケメンだったとお袋は言うが、果たして…

いずれにしろ親父も和彦さんも男男を讃えるような汗臭いタイプでは無い… 
どちらかというと優男の部類に入るんだろう…

そんな親父に育てられ、そんな和彦さんの血を受け継ぐ僕は、当然そんな男な訳で;…
宏みたいな男のフェロモンを発するようなタイプじゃないんだな…

宏の身体を知らない奴らは誰だって、宏に性的魅力を感じるんだろうね…

そんなことを考えているうちに、アンナさんがデザートを持ってきてくれて、同じタイミングで遥さんも風呂から上がってきた。

アンナさんの手作りだろうか、とても美味しかった。

宏には残念なことが起こってしまったけれど、この夫婦、そして義理姉妹はとても仲良く幸せなんだと改めて感じた。
こんな日常が、いつまでも続いていきますように。
僕は心の中でそう願った。

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