ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 435
「…で、どうするんです?遥さんは」
「アンナがいいって言うなら…断るわけにいかないでしょ」
遥さんは頬をほんのり赤く染めながら言った。
「ハイ!義姉さんも一緒のほうがアンナは嬉しいです!」
満面の笑み。
…アンナさん、アナタそんなキャラでしたっけ?
とにかく、遥さんと僕は一緒にアンナさんの家に上がりこむのだった。
とは言え、それでは致しましょうって訳にもいかず、三人揃ってもじもじしてしまう…
こういうことには積極的な筈な遥さんが、今は少女のように赤らんでいるんだもんな…
案外自分のこととなると、消極的になっちゃうんですね…
「そうだは、宏が転勤先から送ってくれた日本酒があるんでよ〜」
一方のアンナさんは嬉々としてその日本酒の瓶を持ってきて僕らに見せる。
「へぇ…宏もなんだかんだ気を使ってるのね〜」
遥さんが感心する。
「アンナさんもお酒飲むんだ?」
「はい、大好きです!」
満面の笑顔でそう言うアンナさん。
大きなグラスに一升瓶を傾けていく…
おいおい;…それはワインじゃないんですけどね;…
「それじゃあ乾杯しましょ〜」
何に乾杯しようって言うんですかね?…
「ふふふ、いつもの元気は匠くんどうしたの?…」
それを言うなら、遥さんだって同じじゃないですかぁ〜;…
…先日の夏子さんとのアレがあるだけに、気をつけないといけないんですよ。
ましてや遥さんと飲むなんて…あの時のことが思い出されるじゃないですか。
「ああ〜最高ですね〜」
そんな中、1人上機嫌で飲んでるアンナさん。
外国の方なのに、日本酒お好きなんですね。
「アンナが楽しそうだもの、付き合うしかないでしょ」
遥さんもグラスを持ってニコリと微笑む。