ほんの少しの勇気で人生って変わると思う 398
「若いって羨ましいわぁ〜」
もう夏子さん、調子に乗りすぎです!
ってか、職場での出来る人感がもうまったくなくなってます。
「夏子、もういいだろ?」
「そうね…残念だけどね…」
何がですか。
「じゃあ、後は任せるね。お休み!」
春秋さん;…そんな意味深な事言って、僕と冬美ちゃんを2人っきりにしちゃっていいんですかね?;
「あ、お休みなさい…」
僕の顔を見て優しく微笑み、春秋さんと夏子さんは部屋を出ていった…
「それじゃ匠さん〜よろしくお願いします〜」
な、何をよろしく頼むって訳だよ;…
ゴロンとベッドに横になる冬美ちゃん。
…ダブルじゃないし、2人で寝るにはきつそうだなぁ。
「…何もないよ。もう寝るよ」
ご両親笑ってましたがそれでも…ねぇ。
「…匠さん…私の話、聞いてください」
冬美ちゃんがさっきまでとは違う、少し暗い口調で言った。
「…どうした?」
「私、本当は…男の人が怖かったんです…」
「どういうこと?…」
暗闇にまだ目は慣れてはいなかった…
それでも僕は、微かに見える冬美ちゃんの輪郭をじっと見詰めた…
「お父さんもお母さんもそれを心配して…だから匠さんと一緒に寝かせたんだと思います…」
そうなの…?
春秋さんも夏子さんも、冬美ちゃんを気遣って僕と一緒に…ってこと?
「冬美ちゃんはどうして、その、男の人が苦手だなんてことに…」
なるべく言葉を選んで、冬美ちゃんに聞いた。
「男の人に、いろいろ悪戯されたりとか…私、他の子よりも成長が早いみたいで…」